▼観光客なのか、一人の女性が熱心に撮影していた。

泰勝寺は、細川家の菩提寺。熊本市内中心部から、車で約10分ほどのところにある。・・・大きな手水鉢横の急な石段を登ると、そこには荘厳な廟があった。
溜池や茶室などへ何度も足を運び入れたものの、同廟を取材したのは初めてのこと。細川ガラシャが使ったという小さな手水鉢も置かれ、無言のままに江戸時代へとワープする、不思議な空間である。
廟は、丸く大きな暮石を包み込むように、屋根付きの建物で覆われている。丁度、陽が傾きかけた頃だった。暮石の上方に、細川家の家紋「離れ九曜」が影絵のように見えた。更に目を凝らして見ると、何と欄間に透し彫りされた「離れ九曜」に太陽光が当たり、その形が暮石に映し出されていたのであった。
太陽光の入射角は、朝と夕に、その暮石に「離れ九曜」の家紋が投影されるように設計されているのではないか。数百年前の和の建築技術の高さに、正直驚きの色を隠しきれない。・・・大した知恵であると。





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