
先般、熊本市植木町にある小野泉水公園へ足を運び入れた。
同公園は、十数年前まで内田皿山焼の「小町楞窯」があった処である。窯元の主人は、筆者の親しい知人でもあったが、数々の賞をとりながら、残念ながら、50歳という若さで亡くなった。窯があったところは荒れ果て、「国破れて山河あり」の感慨を覚える処でもある。
新聞社時代に、彼と共に、東京都目白にお住いの小笠原忠統氏(小笠原家第32代当主、伯爵、小笠原惣領家第三十二世/1919年〜1996年)を訪ねたこともあり、彼の作品が30箱だったろうか、小笠原流礼法茶器セットとして採用されたのだった。
「小笠原先生の箱書きが1日1つと仰って、30箱ができるのが、1ヶ月くらい掛かります!」と嘆いていたことを思い出す。しかし、その後、東京高輪プリンスホテルにて、小笠原忠統氏から喜多流の喜多六平太氏をご紹介いただくなど、今になっては、一生想い出に残るものとなった。
昔話ではあるが、30年ほど前のこと。よって、この小野泉水公園に立ち寄ると、その当時のことが走馬灯のように想い出されるのである。蛇足だが、小笠原忠統氏と筆者との出逢いは、その窯元で咳をされて苦しそうなご老人がおられ、そこに、筆者がお茶を持って行ったのが切っ掛けだった。
いつの日か、小笠原忠統氏の墓前にお参りに行きたいと思っているのだが・・・。



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