
久しぶりの鞠智城跡。天候はさほど良くはないが、広々とした中を歩き、爽やかな風に当たるだけでリフレッシュできる公園である。1300年前の古城(鼓楼や兵舎など)を復元したものだが、所々にある木々は小鳥たちの遊園地となっている。奥へ奥へと足を運ぶと、鶯の鳴き声が聞こえてくる。時には、音痴な鳴き声を発する鶯もいるが、すこぶる癒される空間である。
実は、正午から本年度最後の先見塾だったが、今月2回続けてランチが不発に終わった。情熱を感じぬ料理群に呆れてしまうことに。次から次へと、こちらの食す速度も考えずにサーブされる料理は、一瞬にしてテーブルを埋め尽くし、中には作り置きのものを完全に温めずに出されたものが2品もあった。予想以上に杜撰なランチに、食事どころの騒ぎではなかった。よって、急遽、先見塾の場を変えることにした。
気分が凹んだままの状態を引きずっても良い取材はできない。よって、午後4時になっていたが、それから熊本市を発ち、山鹿市と菊池市の境界近くにある鞠智城へ車を走らせた。到着すると、昼間の悪夢を払拭してくれるような景色が眼前に広がった。風もそう強くはない。薄曇りだが、立ち寄って良かったとつくづく思った。
しかし、この地は、残念ながら知名度も観光地としての魅力も、そう高くはない。その素晴らしさを伝えきれず、年々、じり貧と化しつつあるような気がしてならない。温故知新館も食事処も、ミニ物産館もあるけれども、全てが中途半端。観光客の心を強烈に惹きつける魅力に欠けている。それは、歴史的な価値、ストーリーなどが伝わらぬまま現在に至っているからだろうと。
食事処のメニューを見ても、「え?」と目を疑いたくなるほど、その土地ならではの料理もなく、突然、「ご飯がないので、うどんしか出来ません!」と言われると、「もういいか!」と諦めてしまうのだ。観光の魅力は、何と言ってもグルメである。そのグルメを軽視していると、観光客が激減するばかりとなる。
折角の歴史的遺産をもっと多くの人たちに知って貰いたい。少々辛口ではあるが・・・いくら専門分野の関係者で盛り上げようと思っても、いろんな業界とのコラボ無くしては、存在価値がなくなるばかりではないかと危惧する次第。




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