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代替食品は、本当に必要なのか!?

◎記事と写真は関係ありません

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 商品開発ほど難しいものはない。それも、毎日お客へ提供するような料理の世界では、メニュー開発はベクトルを間違えると、急に客足が遠のき、命取りとなる。

 最悪の組み合わせは、「原価優先押し付けメニューと思いつき料金体系」である。結局は、手前の都合ばかりが占める環境下において、客が望むはずもない料理を作ったとしても売れることはなく、食材、味、質、調理法、盛り付け、全体バランスなどが悪ければ、誰も見向きもしない。

 メニューは、各店オリジナルのものは少なく、地方に行けば行くほど、ネットや雑誌で話題となっているメニューを真似た「なんちゃって料理」ばかりが目立つ。最近笑えるのが、マリトッツォをありとあらゆるところで販売しているが、それも、アレンジしすぎて何が何だか分からない。

 和食は日本の四季折々の旬の食材を使い、シンプル且つ体に優しい料理として日々進化してきた訳だ。江戸時代に豆腐百珍というベストセラーグルメ本のように、大豆という一つの食材についても、日本人ならではの創意工夫により、我々庶民から殿様御膳まで応用可能としたレシピ集が現存する。

 しかし、グルメ世界で許せないのは「もどき食品」(代替食品)の存在である。カニカマや食パンもどき、カステラもどき、パスタもどき、うどんもどき、ラーメンもどき、シュウマイもどき、餃子もどきなど、我々庶民を小馬鹿にしたような商品がコンビニやスーパーで堂々と販売されている。

 人工着色料や人工調味料をふんだんに使い、さらには、固形材を使用し整形しているものもある。ぐるぐると丸めた整形肉を見たことがあるが、ふざけている。どこの部位かわからないが、捨てるに値するような粗末な肉片を固めて整形し、それをステーキとして出していたレストランもあった。

 或る焼肉店に行くと、本物のカルビを使わず、ハラミを出すところがある。とんでもない話だが、国内においてカルビの定義があやふやなために、純然たる肉のカルビとホルモンに属するハラミを一緒くたにしているのである。甘辛いタレと熱々の白ごはんで、ハラミも本物のカルビに化けてしまうのか!?

 勿論、アレルギーや宗教上の縛りにより食せない食材については、代替食品を認めらざるを得ないことがある。精進料理に、大豆や小麦粉などから化けた肉もどきもある。蕎麦の乾麺でも、山芋を繋ぎとせず海藻で繋いでいるものもある。されど、人工的な化学の実験のような代替食品は御免被りたい。

 戦中戦後の動乱の時代の日本では、「ブラジルコーヒー」と書かれてはいるが、実は大豆を代用することで、ローストして販売していたという話を聞いたことがある。これは、正規の代替食品の息を脱しているばかりか、豆の独特な後味を想像でき、食後のデザートと美味しく食せるはずがない。下手すると、きな粉汁である。

 国内における食の安全基準は随分高くはなってきているものの、先日、韓国即席ラーメンの含有物の問題が報じられたいたように、健康被害をもたらす毒物を混入したものが、今の時代に大量に製造されているのだから、とんでもない話である。一口食すこともグロくて、怖く、ありえない話だが、あの国らしい。

 納豆も同じことが言える。大都市部に生まれ、大都市部で育った人たちは、発泡スチロールに入った納豆が納豆だと思い込んでいる。しかし、本物は藁苞納豆であり、熟成の仕方も風味も完全に別物である。よって、本物の納豆を知った人は、発泡スチロールに入った納豆がやけに人工的に見えてしまうようになる。

 本物のシシャモを食した人がどれだけいるのだろうか?その辺のスーパーでお安く入手できるものは、実は、カペリン(カラフトシシャモ)と言い、全く別物だ。酷いものは、注射器のようなもので卵を注入して、お腹を丸々しているものもある。「シシャモもどき(偽物)」と明記して欲しいものである。

 タラバガニについても、偽装事件が多発し、ネットショップなどで購入したものが、ほとんどがアブラガニを送りつけて、高額な料金を支払わせていた悪徳業者もいる。タラバガニとアブラガニもまた全く別物であり、形が似ているものの、生息域は異なる。両者の違いは、甲羅の突起はタラバ6本、アブラ4本。足の裏が白いのはアブラとなる。

 最後に、我々の主食である白米もとんでもないものが存在する。それはブレンドという格好いい手法により、プロの米販店が良心的に安くて美味しい組み合わせのブレンド米とするなら有難いが、粗悪な米をブレンドして高値で売るという詐欺商法もある。

 上記のように、思い起こしながらランダムに代替食品やら偽装などを書き綴ってきたけれども、枚挙に遑はない。だが、命を支える重要な食において、これほどまでに代替食品や偽物が我々に必要なのだろうか。答えは「否」である。そろそろ、食関連に対して、大きくメスを入れる時期になっているのではなかろうか。


▼ザ・リッツ・カールトン東京の「ひのきざか」の食前酒とお箸
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▼熊本県山鹿市菊鹿町の米
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▼半高山のツマグロヒョウモンとマリゴールド
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写真・文責:西田親生

               

  • posted by Chikao Nishida at 2021/10/2 12:00 am

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