
38年以上足繁く通う、熊本ホテルキャッスル。同ホテルは来年10月に60周年を迎える、熊本県内でも歴史と伝統を誇る、名門ホテルの一つ。今回は、写真下の若きウェイターである松岡勇太さんをご紹介することにする。
彼は、同ホテル1階のダイニングキッチン九曜杏(くようあん)の黒服として活躍している人物で、独り黙々と動いているのが目に入ってくる。無駄口がなく、寡黙な中に、お客の動きやレストランホール全体を見回し、一所懸命に自らの業務に専念している。ややはにかみ屋さんのところもあるものの、考え方はしっかりとしており、「正論」への反応は人一倍早い。
本日は、取材ランチ後に、新調したタキシードを着て、目の前に来てくれた。折角なので、モノクロームにて撮影したのだが、ファインダーを覗き込むと、一瞬にしてその人物の人格が入り込んでくるのである。筆者は差別的な依怙贔屓なるものは好まないが、一所懸命さが滲み出ている人物には、すこぶる好感を持ち、微力ながら応援したくもなる。
とにかく、巷のホテルや旅館では「人の噂は酒の肴」的なところもあり、これまでに、嫌な思いをしたり、驚愕したり、腰抜かしたことも多々あった。しかしながら、このような人物がホテルを支えているとなると、すこぶる安心することができ、「足繁く」が加速する。
持論ではあるが、「ホテルは文化発信基地」であるというのが、筆者のホテルに対する捉え方である。よって、そこに就業している人たちもまた、「文化の香り高き人」になるべきではなかろうかと。・・・その香りを届けてくれる凄腕ホテリエとして活躍する彼の将来を、勝手にシミュレートしながら、撮影していった。とにかく、「民度」の高い人間に育って欲しい。



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