▼熊本県立装飾古墳館にある埴輪

<非礼なる相乗り商法に、愕然となる。>
さて、山鹿発見伝の始まりである。連載2回目は、2016年10月24日から11月29日まで、山鹿市のあちこちで撮影した写真から5枚を選んだ。
1枚目は、熊本県立装飾古墳館(熊本県山鹿市鹿央町)の駐車場近くにある埴輪からワンちゃん?(メスの鹿にも見える)を撮影した。この埴輪はレプリカではあるが、幼い頃に、チブサン古墳(前方後円墳)の周囲には、本物の埴輪の欠けらがたくさん土中に埋もれていたのだった。なんとも言えぬ、素朴なワンちゃんの顔。とても癒された。
2枚目は、鹿本町の川沿いに咲く秋桜。風に激しく揺れ動くので、シャッターを切る時のフォーカスが大変だが、そこら一面に賑々しく咲いていた。
3枚目は、岩原横穴群の山手の木々にぶら下がる木の実。蜂があちこちを飛び回っていたので、その場を数分で退散したことを覚えているが、ここは木陰で、昼休みをとるドライバーが訪れるところでもある。
4枚目は、鍋田横穴群上空を飛ぶ鴨軍団を捉えたものだ。同横穴群近くを岩野川が流れており、鴨や白鷺、青鷺、五位鷺などが餌を求めて飛来する。川沿いの道は国交省管理下にあるので、一般車の通行は原則として厳禁。よって、野鳥を撮るには超望遠レンズが必携となる。
最後の5枚目は、上内田川の中流域で、イチョウの葉が川面に落ち、流されて行く姿を写したものである。とても幻想的で、次から次へと葉が上流から流れてくるので、何枚も撮影してしまった。
上述のように、2016年10月、11月は、熊本県立装飾古墳館、岩原古墳、鹿本町穀倉地帯、岩原横穴群、鍋田横穴群、そして菊鹿町の上内田川に立ち寄った訳だ。
熊本地震から半年後の取材である。余震はまだまだ頻繁に続いている時期。当時は、身の危険のない熊本県北部を中心に駆け巡り、当時は、すこぶる郷里の恩恵を受けたのだった。
話は前後するが、2016年の夏場に、「在りし日の熊本城写真展」というミニ個展を、二箇所で開催した。しかし、残念にも、筆者が意図する写真展とは異なるベクトルに歪んでしまい、とても心を痛めたのである。展示会場となった二箇所の人たちは、今でも自らの非礼さ、非常識さを自覚していないのだろうと・・・。
完全ボランティアで、写真を額装し、ハガキサイズの写真も訪れた方々へ無償でプレゼントする仕組みだったが、結果的に、完全に相乗り商売をされてしまった。筆者独自の企画に「コラボ企画」と書かれたり、1ヶ月の開催期間を勝手に延長し展示されたりと。熊本城復興を祈る「在りし日の熊本城写真展」という筆者の構想が、足元から崩される結果となった。
写真出力料も、額装代も、運搬代も、すべて自腹でやった企画もの。それを、1円の負担なく、自分たちの都合だけで商売に繋げた人たちに、閉口するのみならず、人間性を疑った。ビジネスライクに考えれば、絶対に許されぬ行為でもある。
商売は、「損して、得せよ!」が大原則。更に、如何に親しい知人であろうが、同級生であろうが、商売となれば「Give & Get」が鉄則だ。それを、常に「Get & Get」で考えている人間がこれほどまでに多いのかと、愕然とした昨年の夏。礼節も弁えず、よくもまあ、商売ができるものだと、郷里の腐れたローカルスタンダード(一部の人間)に腰を抜かしたのである。
▼鹿本町の川沿いに咲く秋桜

▼岩原横穴群の山手の木々にぶら下がる木の実

▼鍋田横穴群上空を飛ぶ鴨軍団

▼上内田川の中流域

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