
熊本県山鹿市に、岩野川と鍋田横穴群をジョイントした水遊び公園がある。古代遺産である横穴群は、考古学に興味のない人には、防空壕、いや、今の若い方々には防空壕なんぞ死語になっているだろうから、目にも留まらぬ、ただの穴にしか見えないのだろうと・・・。
清流岩野川には、カワセミ、カモ、サギなど野鳥が屯し、あちこちで水遊びをしている。今回は、同公園専用駐車場より歩いて行く途中に、目の前の草むらでバサバサと音がして、一直線に飛び去った鳥がいた。ゴイサギの幼鳥だった。イノシシのウリ坊のように、茶色に白い斑点がある、首の短い可愛い鷺である。突然のお出ましに、カメラを構える暇もなく、残念ながら撮影できなかった。
それから数分も経たぬ内に、対岸へ、これまた一直線に飛ぶ小さな鳥がいた。色鮮やかなカワセミである。同様に、望遠で捉える暇もなく、さっさと低空飛行のまま、どこかに行ってしまった。カワセミがいるのだから、岩野川の水はすこぶる澄み切っている訳だ。
しかし、台風17号が九州の南方で動いているのが影響しているのかどうか分からないが、今回の取材は真夏のように暑かった。じっと立って撮影しているだけで、汗が吹き出て滝のように流れてきたのだった。
何はともあれ、空、雲、水、野鳥が揃えば、そこは撮影にはもってこいのポイントとなる。しかし、大勢人が集まると、野鳥たちは手の届かぬところへ移動して、上流の川面で遊び回る。次回は、もう少し、上流へ行って三脚を立てて撮影できればと思ったが、遊歩道が途中でキープアウトとなっているので、塘の上から撮影した方が良さそうである。
最後になったが、子供連れの若夫婦が、すれ違いさまに「こんにちは!」と笑顔で挨拶してくれた。熊本地震後に、コンビニで仏頂面の不躾な人間ばかりを見ていたので、今回の自然で心地よいご挨拶に、すこぶる嬉しくなった。また、いつの日かお会いできれば、家族の写真でも撮ってあげたいと・・・。
▼家族づれも多く訪れる水遊び公園

▼今回の取材ランチ:スペアリブほか(熊本ホテルキャッスル)

▼撮影:アシスタント・フォトグラファー

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