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震災から2ヶ月経った熊本城(2)

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 瓦礫の山と化した、十八間櫓と五間櫓。ゴロゴロと芝生を埋め尽くし、以前の姿がどうだったのか思い出せないほどの惨状である。・・・棒安坂左手前には、崩れた石垣の石たちが整然と並んでいた。いよいよ復旧に向けて、動き出したのかと、期待が膨らんだ。

 それでも、その坂を登りながら周囲を見渡せば、あらゆる石垣が歪み、膨らみ、浮き出した部分がやけに目立つのだった。あの重厚で安定した末広がりの石組みも、震度6や7に襲われると、木っ端微塵となってしまう。どれほどの力なのか、想像を絶する次第。

 茶臼山を覆い尽くす、9万年前の火砕流の堆積物。そのふわふわとした隙間だらけの不安定な地層の上に、熊本城の櫓や塀などが建っている。ミルフィーユのケーキを横から見たような、スカスカの堆積層なのだろうと・・・。

 先般、修復したばかりの泰勝寺の石垣が、完成2日後に被災し、また、崩れ去っているのを見てしまった。数ヶ月掛けて積み上げた石垣が、数ヶ月前の哀れな姿に再び戻ってしまったのだ。

 これでは、イタチごっこ。これから何十年かかるか分からないが、熊本城全体の復旧には、今後の大地震や台風対策など、十分なシミュレーションが行われない限り、泰勝寺の石垣と同じことになってしまう。実に厄介なものであるようだ。

 真夏のような炎天下。急な坂を上り詰めると、戌亥櫓(最後の写真)の可哀想な姿が眼前に現れた・・・。

 
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  • posted by Chikao Nishida at 2016/6/17 12:00 am

震災から2ヶ月経った熊本城(1)

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 つい先日、KKRホテル熊本真向かいの棒安坂を上り、監物台樹木園手前から左に折れて、加藤神社(宇土櫓横)まで歩いて行けるようになった。よって、熊本ホテルキャッスルにてランチを食し、徒歩で宇土櫓までを、更に二の丸公園角まで行って戌亥櫓方面を取材することにした。

 先ず、目に留まったのは十八間櫓が崩壊し、社務所などが被災した熊本大神宮の姿であった。写真上のように、山崩れに見舞われたような光景である。昨年だったか、大神宮の裏側との境界線となっていた十八間櫓。そこで記念写真を撮ったこともあったので、直視するには、余りにも悲惨だった。

 交差点の角地にある熊本県立美術館別館も震災後閉鎖が続いている。そこから道なりに歩いていると、左手に五間櫓の崩壊箇所が見えてきた。ここも先見塾の写真撮影会の会場としたところでもあり、その面影は全くなくなり、瓦礫の山と化してした。ガードマンが立入禁止の境界に立っており、警備に当たっているので、挨拶をして、現況を聞かせてもらった。

 今回の大地震で幸いにも崩れることもなく残っている石垣もあるけれども、望遠レンズでじっくりと観察すると、石垣の一部が浮き出しているところや、亀裂が走っているところを発見。次なる大地震が来れば、全ての石垣が崩落するのは必至となってしまう。

 ふと思い出したのは、今年になリ、五間櫓を撮影して写真をチェックしていた時に、中央部に膨らみが写っていたので、Facebookで違和感を伝える呟きをしたのだが、数人の方々のリアクションはあったものの、その情報については、表に出ることはなかった。今思えば、熊本市にその写真を送付し、崩壊の危険性について早期通知しておけばよかったと、反省している次第。


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▼今年の2月頃撮影した櫓(赤い○の中に膨らみがある)
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▼取材風景
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  • posted by Chikao Nishida at 2016/6/16 12:00 am

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