

写真上は、1954年頃から父が使っていたドイツ製のライカ III f(フィルムカメラ)と、そのカメラで撮影された写真である。ネガも残っているが、面倒臭かったので、紙焼きした写真をそのままデジカメで撮影してみた。
ライカと言えば、歴史と伝統を誇る、高級カメラとして世界を席巻しているもの。小ぶりだが、アーティスティックさでは群を抜いている。その高価なライカを、1950年代から父が使っていたとなると、正直、とんでもない買い物だったと考える次第。優しく、理解のあった母だからこそこ購入に漕ぎ着けたと推察するが、老舗カメラ店によれば、当時、土地を売ってライカを買いに来たという人も多かったと聞いている。カメラマニアとしては、このカメラは羨望のマシンであったのだろうと。
それに対抗して、写真下は、筆者が15年前(1999年)に購入した、NIKON初の一眼レフデジカメ D1である。これまた、筆者にとっては、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで、衝動買いしたものだ。レンズは、数十年前のオールドレンズを装着し、久しぶりに試し撮りをしてみた。やはり、現在のデジカメと比較すると、シャープさ、速度、クオリティなど、かなり劣るものの、手に持っているだけで、何となくNIKONのDNAが流れているのを感じるのである。
写真は、その時代時代を、しっかりと切り撮り、後世に伝えてくれる。文化の香り、庶民の生活、自然や動物の様子など・・・克明に刻み、大切な「過去」を伝えてくれるのだ。現在は、スマホなどで瞬間を捉え、リアルタイムに近い状態で情報を流せる環境となり、カメラや写真の価値が、少々異なるベクトルへと動いているものの、このような、ドッシリトしたカメラとレンズ、そして、その時代に撮影されたものは、大切に心の中にしまっておきたくなってしまう。
カメラって、一生ものの良き趣味として、続けて行きたいと・・・。



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