

140年の歴史を誇る、水前寺東濱屋。吉田明さんが、その店主である。寡黙だが、緻密なシミュレーションを得意とし、パソコンまで組み立てるというITフリークなお方だ。料理の歴史は勿論の事、和の原点から、その進化の仕組みを良くご存知のお方である。
話を伺っている中で、とても印象深かったものがあった。それは、「ガラス張りで情報交換が自由自在にできる関係」。
ちなみに、和の大御所と言えば・・・ここでは店名を伏せる事にするが、京都に歴史ある料亭と、割と新しい料亭等がいくつかある。・・・国内の和の頂点に君臨している謎が、この吉田さんの話を聞いて、すんなりと解けてしまったのだ。
それは、同じ和食処であり、一般的に考えると、敵対関係、対峙の関係など・・・この狭い地方の食事処では当たり前の世界だが、京都にある食事処は、情報の風通しを良くして、互いに切磋琢磨しながら、素晴らしいもの、新しいアイデアなどを、オープンに共有していると言う。
例えば、A店の店主が、B料亭へ遊びに行けば、自由に厨房へ出入りができるルールを作っており、そこで新たな発見があれば、教えてくれる。また、ちょっと調理法があやふやだと、立ち寄った店主が、その神髄を伝授するという、腰を抜かすほどの情報開示の環境を創り出しているのである。
仕事も同様に、秘密主義、縄張り主義では長続きもせず、成功裏に終わるケースは皆無に等しい。しかし、この風通しのよい間柄を維持し、数十年もの間に、互いが切磋琢磨し、更には教え、教えられの毎日を過ごすという歴史を紐解けば、我々が付け焼刃的に何を遣ろうとしても、絶対に真似のできない世界となっている訳だ。
風通しの良い環境・・・情報開示→情報交換→共存共栄につながる。これこそ、極めつけの成功の秘訣に違いない!
▼水前寺東濱屋で食した料理群






【ロゼッタストーン公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/

Comments