
目の前に注がれたコップ一杯の水。それをまじまじと見つめながら、自然界における水の存在の大きさや、我々生き物に不可欠な存在として・・・小さなコップの中の水が、やけに強大なものに見えてきた。
人生を水の流れに例えると、穏やかに蕩蕩と流れる時もあり、滝や激流になったり、枯れたりすることもある。・・・予期もしない事に翻弄され、やっと平穏無事な生活に戻れたかと思った矢先、また、静かな水面の美しい波紋を楽しむ暇もなく、またもや激流に呑み込まれて行く。
ある時は大きな渦となり、トルネードの中心のような闇の世界に引きずり込まれたり、穏やかな水面から突然水の無い世界へ撥ね飛ばされたりすることもしばしば。・・・疲労困憊の中、やっとのことで水場に辿り着いたと安堵していると、またもや想定外の事で、静かな水面がにわかに荒れ狂ってくる。・・・その繰り返しが、我々の人生であろうと、しみじみと感じたのであった。
しかしながら、後手後手の受け身の人生を送っていると、想定外の出来事に殆ど対応できなくなってしまう。やはり、十二分に先を見据えて、想定外の事が起きた場合をシミュレートしながら、常に攻めの人生の足場をしっかりと固めておかねば、とんでもない事になりかねない。
個人的な事で大変申し訳ないが、筆者の場合は、仕事のスピードやその他シミュレーションに掛けては、人の2倍、3倍の速度をもってこなせると自負しているものの、身辺については、どうも面倒臭がり屋で、長年の間、後手後手に回っているような気がする。
若き頃は、まあ後手後手に回ったとしても、取り返すエネルギーも時間も十分にあるが、壮年期を過ぎると、そのチャンスさえ遠のいてしまいがちとなる。よって、常に、平穏無事な生活環境を求めながらも、不慮の事故や想定外の事が自分自身に降り掛かってきた時に、如何に対処すべきかを、日頃からしっかりと体勢を整えていなければならないのだと、遅ればせながら再認識した次第。
人生・・・これは、皆さんのようにどんなに高等教育を受けた人間であっても、思い通りに・・・それも、上手い具合にオペレートできるものではないのだろうと・・・「如水」・・・大変難しい人生の課題である。

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