
紅葉の撮影の為に足を踏み入れた泰勝寺(熊本市)。・・・小砂利が敷き詰められた小路を奥へ・・・。右手に小さな池と鴨の家族たち。・・・天候は曇り空で、撮影に最適とは言えない。
紅葉と言えども、緑が八割、茜色と黄色が二割程度。・・・丁度、小路の中程にある一部の楓だけが色づきはじめていた。・・・ファインダーを覗き込むと、マクロレンズであるが故に、ワイドな写真を撮影するには力不足だが、撮り切った写真をよく観察すると、凄い数のシダ類が楓の幹や枝に纏わり付いているのであった。
寄生なのか、着生なのか、共生なのか・・・良く分からないが、近づいてみると微生物だらけの小宇宙のようで、正直なところ、瞬間的に鳥肌が立ってしまった。しかし、ある程度離れて撮影すると、じめっとした黒褐色の幹や枝に群がる濃い緑色のマメズタやノキシノブと、茜色や黄色の紅葉が・・・何気に調和している画角があった。
もっと光を拾えれば、葉を透過する光、回り込む光が夢幻の美しさを手伝ってくれそうだ。また、雨上がりの水の滴が樹木・・・森全体を覆っているのであれば、そのプルンプルンとした水滴が放つ光の妖精たちが飛び回ってくれるのではなかろうかと・・・。
春の花々や夏の真っ白な入道雲と大海原も素敵だが・・・秋から冬にかけた自然の彩りは、しっかりと「和」の世界を継承してくれているようだ。また、機会があれば、同寺の魅力満載の取材が出来ればと期待している次第。

※通称 泰勝寺=細川家菩提寺泰勝寺跡
細川ガラシャが眠る、閑静なたたずまい。
辞世の句・・・散りぬべき 時知りてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ
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