
曇天で、すきっとしない一日である。熊本市内の紅葉もそろそろ終わりに近づき、次の取材先の選定に悩んでしまう季節となった。
そういう時に、年中、深い緑に囲まれた「泰勝寺跡」は、すこぶる地味ではあるが、入り口を潜れば、一瞬にして江戸時代へワープできる処でもある。
現地到着時刻は午後3時半頃だった。意外に駐車場には車が多く、散歩方々足を運んでくる老夫婦が多いことに気付かされた。カメラ片手の高齢男性もいた。
受付で、氏名と連絡先電話番号を伝え、200円の入園料を支払い、門を通ることになる。紅葉は一部を除き、ほとんど落ち葉となり堆積物となっている。
古池の真鴨の数は、倍増している。近づけば、スーッと遠くへ泳ぎ去り、こちらが離れると、野良猫もウロウロしているのか、真鴨の警戒レベルは3のようだ。
同地の敷地面積は大したことはないけれども、深い緑(竹林も含む)に包まれ、都市部の中では江戸時代を体験できる稀有なる処で、不思議な空気感が漂う。
ご存知の通り、「泰勝寺」は細川家の菩提寺であり、細川ガラシャも静かに眠る立派な墓石を見ることもできる。足踏む土は、江戸時代のものなのだろうと。
最近心配しているのは、気候変動が激しい温暖化の影響なのか、昔はキラキラと生き生きしていた「苔園」が、少しずつ崩れているように思えてならない。
雨上がりの「苔園」に木漏れ日が射すと、何とも言えないアーティスティックな情景が心を和ごましてくれる。しかし、その瞬間を撮影したいが、叶わない。
本日は気温が低かったので、藪蚊からの攻撃は皆無であり、快適だった。気づけば、1時間ほど散策していたことになるが、冷んやりとした空気が実に旨かった。
※立派な墓石の撮影は大変失礼に当たると思い、敢えて撮影していません。








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