
午前3時頃だったか、猫が「マーオゥ、マーオゥ♪」と鳴き続けている。その鳴き声が、段々近寄って来ている気配。小雨混じりの中で、静寂なる闇夜の中での鳴き声は、猫が好きだとしても、決して気持ち良いものではない。
自宅は公道から28段(階段)の高さのところに建っているので、窓から公道を見下ろすことにした。すると、右手向こうの街灯下を二匹の野良猫が、小糠雨に包まれながら鳴いている。よく見ると、前を歩く猫と後ろから追う猫のディスタンスは10メートルほどだ。
多分に、雄猫が雌猫の後を追っているのだろうと。しかし、小糠雨で毛並みもバサバサ。こんな雨の中を歩くよりも、何処かの軒先で静かにしていれ良いものを。深夜なので、こちらから声を出すことはできないが、鳴き声が次第に大きくなって来た。
窓ガラスを開けると、2匹の猫がピタリと足を止めた。こちらを仰ぎ凝視している。普通の野良猫ならば殺気立つのだろうが、じっとアイ・コンタクト。もしかすると、飼い猫が勝手に外に出て、自宅周辺を徘徊しているのかも知れないと思った。
以前、あちこちを取材する中で、野良猫と遭遇することが多かったけれども、最近はずいぶん少なくなったように思えてならない。片耳に刻みが入っているのは「去勢」をしたものらしいが、野犬と違って、猫が人を襲うことはないので、野放し状態。
動物に共通することは、猫にしろ、犬にしろ、人間にしろ、目つきを見るだけで、大凡の性格が見え隠れし、頭の良し悪しも想像できる。写真は、以前撮影した猫だが、すこぶる良い目をしている。クレバーで、ゆったりとした生活感が滲み出ている。
人も同様に、心の動きが目や顔つき、身体全体のオーラとして出てくるものである。昔から、「目は口ほどに物を言う」という諺があるように、これらの猫に劣らず優しいアイ・コンタクトができる人間になるのが一番であると、独り頷くばかりであった。

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