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兎角に人の世は住みにくい・・・

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 熊本県護国神社の大きな鳥居右側に、老人が倒れている。最初は、昼から酒を飲んで、芝生の上で爆睡しているのだろうと思いつつ、横を通り過ぎようとすると、大きく口を開けて、妙な体勢にて微動だにしない。体は「く」の字で、リュックが横にあり、正直なところ、事故か事件かと胸騒ぎがした。

 口が開きっぱなしなので、既に絶命しているのかと思い、側に行き、「大丈夫ですか!?」と二度声を掛けた。その老人は、驚いたように飛び起きた。「あ、どうもすみません。」と小声で一言。生存を確認して安堵したが、このようなケースでは、声を掛けるべきか否か、一瞬、判断に戸惑った。

 実は、これまでに、高層ビルから落ちたり、鉄道に飛び込んで絶命した人たちを何度も目視したことがあるので、それ以来、ややトラウマになっている自分が居るのだろうと。しかし、寒空の下、如何に芝生にて防寒服を着ていようとも、不自然な形で倒れていれば、事件事故という文字が頭を過る。

 ただ、遅ればせながら、声を掛けたことは正解であると考える。他国では、道端に人が倒れ絶命していようとも、知らぬ顔して、無視して通り過ぎることが多いと聞いたことがあったが、ここは日本、非道なことは許されない。勿論、大人であれば、その責任を果たす必要がある。(罠も想定内に)

 取材が終わり、野鳥園から引き返す時も、まだその老人は芝生の上に座ったまま、周囲を眺めていたようだった。もしかすると帰る家がないのかも知れない。勿論、「ヘルプ」があれば早急に救済する必要があるが、それがなければ、その老人のプライベートゾーンには土足で踏み込むべきではない。

 また、話は変わるが、先般、某所にて車を停めて、山際を撮ろうかと思っていた矢先、まだ小学校低学年だろうか、二人の女の子が自転車を乗り回し、付き纏ってきた。「あのー、あのー、景色を見てるの?」と何度も馴れ馴れしく聞いてくる。良く言えば人馴れしている。悪く言えば、妙な輩に簡単に誘拐されると危惧したのだった。

 今の時代、なかなか他人との距離の取り方が難しいので、上述の女の子には挨拶、会釈程度が限界である。万が一、優しく構ってしまうと、逆に「不審者」として通報される可能性も無きにしも非ず。実は、以前、夕景を撮影しようと思い、高台に居たところ、帰宅して警察官が二人きたのだった。

 「すみません。このナンバーの車はお宅の車ですか?先ほど、不審者通報があったので、ちょっと話を聴かせて貰えませんか!?」と。とんでもない世の中だと思い、通報した大馬鹿者に閉口した。警察官への対応は、名刺とバイオグラフィを渡すことに。「ご迷惑掛けました。通報した人間には、ちゃんとした方であると伝えておきます。大変、失礼しました!」と。

 通報する者も大変な非常識者だが、何の根拠もなく、初手から犯人扱いする警察官のレベルの低さには驚いた。一人は研修中の若い警察官のようで、こんな低レベルの捜査じゃ、初動の段階で失格。通報があり、行き当たりばったりで他人の家を捜査する前に、リサーチをして行動すべきではないか。

 記事を書きつつ、文豪 夏目漱石の作品「草枕」の冒頭の文章が浮かんできた。「智に働けば角が立つ。情に棹差せば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」と・・・・・。


▼熊本県護国神社近くにある「野鳥園」のAutumn leaves
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文責:西田親生

           

  • posted by Chikao Nishida at 2021/11/27 12:00 am
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