▼脇宮盛久料理長(熊本ホテルキャッスル)
※現代の名工、黄綬褒章受章者

30年ぶりの再会での食事をどうするかが、筆者にはすこぶる難題であった。「朋有り遠方より来る」。ワクワクドキドキ感の中に、そこでサプライズを投じたいが、その大役を受けてくれるのは、脇宮盛久料理長しかいないと思い、日が差し迫っていたが、難題をお願いしたのだった。
同氏は一つ返事で「わかりました。遣りますよ!」と。日頃は、事前に献立については知らせがあり、それを頭にインプットして、その日に臨んでいたが、今回は、当日まで一切知ることもなく、30年ぶりの会食に臨んだのだった。どのような組み合わせで、挑戦状が届くのか・・・。
当時の「朋有り遠方より来る」への挑戦状は以下の通り。「晩秋の宴」というタイトルにて、粛々と一つ一つの料理がサーブされてくる。30年ぶりに会う安西正育氏(ベビカム株式会社 代表取締役)は「御献立」を閲覧しながら唸っていた。「この食材の数々。凄い!」と、再び「御献立」を凝視する。
新型コロナウイルス感染防止のために、いつものテーブルを移動して頂いたので、照明の環境も変わり、更には30年ぶりの再会なので、撮影どころの騒ぎではなく、只々、サーブされてくる料理に全集中となってしまい、カメラに目を向けず、全ての料理をじっくりと堪能させて頂いた次第。
お行儀が悪かったけれども、途中席を外して戻って来た時に、安西氏曰く「のどぐろは事件です!」と一言呟いた。事件と聞けば、のどぐろの口に釣り針でも付いていたのかと心配したのだった。事件というものは何ぞや?。一口食べて、それが「旨すぎ違反!」という大事件であった。
それにしても、宮廷料理として超VIPへサーブされるような素晴らしい料理の数々。以前、同料理長が黄綬褒章を受章した時の記念料理も食したが、今回は次元が異なる。予約から1週間も無かったが、献立を構想するのも大変であろうし、食材を揃えるのに苦労を掛けたのではないか。
以下の料理写真は、大変申し訳ないが、しっかりと撮影ができていないことを先ずお断りをしたい。午後6時からスタートした会食。これまでの数あるグルメ体験の中でも、三本指に入るほどの、逸品揃い。同ホテルで日本最後と言われた「満漢全席」を主催した料理群を凌ぐ、料理人の「心」が宿っていた。
面前の安西氏から、当日深夜に「脇宮料理長をはじめ、ホテルの皆様には、美味しい&気持ち良いおもてなしに感謝しております。くれぐれもよろしくお伝えください。」とメッセージが届いたのである。この言葉を聞いて、「朋有り遠方より来る」が無事完結し、安堵したのだった。
嬉しさ半分、驚き半分の会席料理「晩秋の宴」は、我が人生において、記憶に残る、記録に残る、想い出深き「宴」の一つになるに違いない。仰々しいように聞こえるかも知れないが、自称グルメ通と豪語している筆者の心は、食後の温かい日本茶を飲み干した瞬間のような安堵感で一杯となった。
この場をお借りして、熊本ホテルキャッスル和食料理長である脇宮盛久氏、食堂部長の岩本憲治氏、ダイニングキッチン九曜杏マネージャー古舘信也氏ほか、他のスタッフへ、深謝の意を伝えたい。筆者にとって、30年ぶりの再会は、想像を絶するほどの、ビッグイベントであった。
▼御献立「晩秋の宴」

▼「晩秋の宴」の各料理









▼安西正育氏(ベビカム株式会社 代表取締役)

▼筆者(撮影:ダイニングキッチン九曜杏マネージャー古舘信也氏)

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