コロナが人の心まで歪めてしまう・・・

　或る日突然、或る人からメールが飛び込んできた。

　唐突なメールに書き記してある内容は、相反するものが多々混在している。「やめる」、しかし、「やる」。「単純なこと」、しかし、「大変なこと」。「急がない」、しかし、「性急」。残念だが、常軌を逸したものに思えてならない。

　元々寡黙でおとなしい常識人であったけれども、何が原因にてこのように豹変し、歪んだ行動を取るのかが分からない。日頃からメッセンジャーとして動く人が右往左往している。どうも、コンセンサスが取れていない様子でもある。

　話したい事が沢山あったのかも知れないが、メールや手紙だけでは真意が伝わらない。そこに相反するものが存在すれば、どう逆立ちしても理解できないのが人間である。何か大変な事が起こっているように見えて、心配でたまらない。

　しかし、直接会話を交わす事なく、二日後に手紙が届く。今までの経緯を完全に無視するような内容である。一度は、警鐘を鳴らすために返事をしておいたが、それを曲解したのだろうか。やはり、これもまた抑揚のない手紙の結末である。

　ただ、頼みがあるのならば、一方的に自分の用件のみを伝えるのではなく、互いの立場を考えた上で、落ち着いて行動してもらいたいものだ。このような事態を過去に経験した事は何度かあるが、ここまで急に歪んだ状況下に陥った事はなかった。

　コロナは、人の心まで歪めてしまうのだろうと。この数年間築いて来た良好な関係が、目の前で崩れ去るのは、すこぶる寂しいものである。少しでも、その方がベクトルを修正し、物事に穏やかに対処されるのを祈るばかりとなる。

　一度折角築いた「信頼」は、そう易々と手放したくはない。ただ、世の中には、長年築いて来た絶大なる「信頼」を、一瞬間で壊してしまう人もいるのだから、今回、そのメッセンジャーが可愛そうでならない。

　このメッセージが、少しでも届いてくれれば有難いのだが・・・。