
元々は熊本市内の屋台だった「さかえラーメン」。山鹿市に移し住み、温泉プラザ山鹿に店を構えて43年になると言う。初代は既に他界されたお母さんだが、現在は、その母のレシピを受け継ぎ、2代目のお母さんが店を切り盛りしている。
初めて足を運び、「チャーシューにしようか、大盛りにしようか!?」と呟くと、「先ずは、普通のラーメンで如何ですか?」と、全く商売っ気のない言葉が返ってきた。
テレビ番組などの取材は一切受けないと言うので、その理由を問えば、「番組の撮影に応対したり、急にお客様が来られても、店側のペースが乱れて、お客様にご迷惑を掛けるばかりですから・・・。」と、さらっと言い切った。
ラーメンのスープは臭みがなく、結構さっぱりしているので、それを問えば、「豚の骨だけで、頭やその他鶏など入れていません。13時間ほどグツグツ煮込みますかね!?鶏を入れると、鶏の味が被ってしまうので・・・。ここは、あっさりしたものになっています。あとは野菜を入れますね。餃子の野菜なども全部包丁で刻んでいるので、食感が良いと思います!スープの味は、午後五時過ぎからが一番美味しいかと思いますよ!炒りニンニク入れますか?」と。
帰り際、温泉プラザ山鹿のポイントカードに記録してもらう時に、「車で来られましたか?まだ1時間は経ってないかも知れませんが、1時間過ぎた時の無料カードをお渡ししておきますね。もし、今日1時間以内の滞在であっても、次回来られた時に使えますので、また来てください!」と。これまで温泉プラザ山鹿の店で沢山飲み食いしたけれども、こちらから申し出ることなく、初めて無料カードのことを言ってくれた。
以前は温泉プラザ山鹿にはパチンコ店2店舗、その他スーパーなど大型店が犇めき合っていたものの、今は、シャッターが閉まったところが多くなり、閑古鳥が鳴いている。よって、同ラーメン店も当時の同プラザ隆盛期と比較すれば、お客が激減しているのは事実。しかしながら、以前からの常連客も足繁く通って来ると言う。地味に細々と経営しているが、真摯な心を忘れず、優しい心で真面目な職人を応援したくなるのが、客というものではなかろうか。


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