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棚ぼた人事が齎す、企業危機。

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 4年前に、或る人に苦言を呈したことがあった。それは、若くして或る程度の職位(取締役)に就いた人物であったが、CEOもCFOもCOOも知らぬ人物であり、その無知さぶりには驚かされた。

 実は、前経営陣が手を回し、強引に取締役に就かせたのだが、まさしく棚ぼた人事であり、その人物の能力や力量あっての職位ではなかった。

 面白いもので、その人物は自分の力量あってこその人事だと思い込んでおり、職位を得てからと言うもの、仕事に対する情熱もなくなり、ただ横柄な態度と自分自身の特別待遇を当然視するようになった。

 勘違い、履き違えの典型的な人生の始まりである。部下には常に高圧的で、小言を言っては圧力を掛け、困惑する部下のリアクションを楽しんでいる。そして、仕事もさっさと切り上げて、早期に退社するといった具合だ。

 経営学も知らず、労務管理も何も分からずして取締役となったのだから、当然の如く、取締役としての業務が捌けるはずがない。従って、自分自身に都合が悪ければ責任転嫁にて部下に押し付け、己は「我関せず!」のオンパレードになっている。

 よって、部下からの信頼は皆無の状態であるが、本人はそれに気づかず、日々醜態を曝け出しているのが実状である。実は、本人をずいぶん昔から知っているので、それを見兼ねて4年前に本人に苦言を呈したのであった。

 コロナ禍となり、人件費削減のために多くの若手からベテラン社員を、それも経営陣が気に入らぬ人間をターゲットに絞り込み、次から次へと依願退職へと追い込み、冷酷にも不公平な「人斬り」を敢行したのだった。

 或るベテラン社員を辞めさせる時など、数年前のその社員の失態を引き合いに出して、実質解雇だが、表向きは依願退職願いを提出させ、追い出している。確かに、過去の失態は良いとは言えないが、それを数年後に辞職の要因とするのは、おかしな話である。

 それが理由であると言い張るのであれば、数年前に辞めさせるべき問題であり、今頃になって持ち出すとは本末顛倒としか言いようがない。経営陣の「個別面談のからくり」に騙されたような話だが、それが実態である。

 また、前出の取締役は前経営陣の人間であったが、新経営陣へ急に靡いたりで、常に柳の状態。突然三階級も特別昇級したのだから、想定外の高給取りになったに違いない。だからと言って、実権を全て握ったと思い込み豹変するのは馬鹿げている。

 突然給与が上がれば、力量のない人物であればあるほど、棚ぼた人事で得たチャンスに酔い知れ、自らの足元が見えなくなってしまうのだろうと。

 先日も、本人へこれから先の話をしたが、ただニヤニヤするばかりで、コロナ禍による会社の一大事に対する危機感もなく、人の言葉に聴く耳を持たぬスタンスは健在であった。ひたすら職位を守り、給与を維持するだけに頭の中は一杯のようだ。

 見ているだけで情けないやら、恥ずかしいやら。この程度の人物が取締役になるのだから、腰を抜かすばかりである。これでは、真面目に一所懸命働いている能力ある社員たちが可哀想でたまらない。

 加えて、新経営陣をしっかりと監査する人物が居ないことも、企業としての重大な欠陥となっているが、誰一人として指摘もせず、改善もしないというのは、既にステージ4の段階に達している。

 畢竟、中間管理職及び社員全員が団結してクーデターでも起こさない限り、この会社の行末は危ういものとなってしまう。残念なことだが、新経営陣は数年後の定年まで、この数年間給与を貰い、無難に過ごせば良いと考えているに違いない。
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写真・文責:西田親生


               

  • posted by Chikao Nishida at 2023/5/21 12:00 am

贈り物をして初めて分かる、頂き物の有り難さ。

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 先日、各地から沢山の贈り物がオフィスに届いた。ご飯のおかずからお菓子まで、筆舌に尽くし難いほどに、嬉しかった。毎日、段ボールの中を覗き込むたびに、「どれにしようか!?」と悩むほど、色んなお宝物が詰まっている。

 そこで、日頃のお礼として、全国数カ所(関東2箇所、東海1箇所、九州1箇所)に些少ながらであるが、熊本名物を贈ることにした。粗品にも関わらず、早速、間、髪を容れずメッセージが飛び込んでくる。とても喜んでいただいたようで、胸を撫で下ろした。

 ところが、或る方からは、土産は到着したものの、仕事が忙しいという理由で、その同僚へ手渡してもらう約束を確認できぬまま、数日経ってしまった。大した土産じゃないので、その程度なのかと思ってしまう自分がいた。又、日頃からのお付き合いの距離感の問題であろうかと。

 今まで頂き物を受け取り、自分自身がどのようなリアクションをしたのかを思い起こせば、土産が届いた瞬間に、先ずはお礼のメールを送り、時には、送り主の時間帯を考え、電話をして感謝の意を伝えていた。それが、当たり前であると思っていた。

 土産を贈り、送り先の人の満面の笑みが伝わると、また土産を贈り喜んでもらおうという気持ちになるというものだ。単純と言われればそれまでだが、筆者なりの受け止め方である。

 ところが、仕事が忙しいという理由でリアクションもなく、時間ばかりが経ってしまうと、「なるほど、その送り先の人のプライオリティはこの程度なのか!?」と受け止めざるを得なくなってしまう。

 人は十人十色。今回、日頃からお世話になっている方々へ、大したものではないが、熊本名物をお贈りして初めて、頂き物の有り難さが理解できたように思える。電話でもメールでも同様に、間、髪を容れずアクションを起こす大切さも、再認識した次第。

 人は、無意識な中、ちょっとした言動により心底が見え隠れするところが恐ろしい。
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  • posted by Chikao Nishida at 2023/5/20 12:00 am

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