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私とギター

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 或る方からリクエストがあったので、恥ずかしながら、「私とギター」というタイトルで書き綴ろうかと・・・。

 話は筆者が小学校5年生の頃に遡る。8歳年上の兄が高校に進学し、剣道ではなかなかの腕を持っていた(17歳で三段/当時の新聞に「最小年三段剣士」というタイトルで掲載された)兄だったが、何を思ったのか、常々竹刀や木刀を手にしていた兄が、両親に黙ってこっそりと部屋に持ち帰って来たのが、ヤマハのエレキギター(色はチェリーレッド)だったと思う。50年近くも前の話だが、確かそのギターの値段が70000円近かったと記憶しているが、半世紀も前の70000円は、当時の子供だった私には、とんでもない高価なものに感じた。・・・それが、私が生まれて初めて眼前に見たエレキギターだった。

 当時の日本は、GSブーム。ビートルズ来日から国内はGSの嵐が吹き荒れ、アマチュアバンドがあちこちの祭りのエンディングなどで演奏するようになった。ベンチャーズの定番の曲が鳴り響き、アマチュアと言えどもユニフォームは、当時人気のザ・スパイダーズ、ザ・タイガース、ザ・ジャガーズ、ザ・カーナビーツなどと同じような出で立ちであった。

 熊本県山鹿市もご多分に漏れず、山鹿灯籠まつり終了後に、山鹿小学校のグラウンドで演奏会が開催され、深夜のエレキバンドの大音響で眠れなかったのだった。実は、筆者の自宅が同小学校グランウドのすぐ目の前だったので、自宅の2階から目をこすりこすり聞き入ってしまった。・・・兄たちのバンド名はザ・ブルドッグ。余り洒落た名前とは言えないが、その兄が他界するまで四十数年間活動を続けていたのだった。構成メンバーは公務員から会社員、団体職員と・・・地元新聞では「おじさんバンドがチャリティ−」と、夕刊カラーの表紙を飾っていたようだ。

 しかし、筆者がギターに目覚めたのは、中学1年の頃に初めてサイモン&ガーファンクルのレコードを買った時だった。「コンドルは飛んで行く」という南米の民謡をリメイクしたものだったが、その天使の声のような高音域をさらりと歌うアート・ガーファンクル。そして、変速3フィンガーアルペジオという独特の奏法で聴き手を唸らせるポール・サイモン。何度も聞き入り、何度も鳥肌が立ったのだった。それから原曲の「コンドルは飛んで行く」のレコードも購入し、ケーナという縦笛などにも興味を持ち始め、更には訳の分からぬままオカリナも3つほど買いに行った。・・・そうしている内に、ギターも欲しくなり、貯金箱を壊して・・・とうとうヤマハのフォークギターを買ってしまった。

 先ずはコードの練習だ。CやAm、D、Gなどは楽譜を見ながら簡単に覚え、6弦ともびびらずさらりと鳴った。「お、結構簡単じゃない!」と思いつつ、次はFに挑戦。これが思ったよりも曲者で、剣道で指関節が凸凹していた為に、Fとなると中指と弦の間に隙間が空きやすく、どうしてもポロロ〜ンと鳴るはずが、ボンボン、ボンボンと妙な音を奏でてくれる。「こりゃ、まいったなあ!」と・・・指の皮が剥けるほど、毎日数時間ギターの練習に傾注していった。

 そこで考えたのが、折角音楽やるなら遊び感覚で英語の勉強ができれば良いかと思い、サイモン&ガーファンクルの曲にターゲットを絞ってやろうかと・・・。それから1ヶ月ほど経っただろうか、最初から最後まで弾けるようになった曲が「Homeward Bound (家に帰りたい) 」だった。ハマリング プリングの練習をしっかりとやり、オープニングの和音に酔いしれながら「I'm sittin' in the railway station Got a ticket for my destination, mmm・・・」と弾き語りが出来るようになった。・・・今思えば、筆者が十八番とする独学の始まりだったのかも知れない。

 そんなこんなで、10歳でエレキに出逢い、15歳でフォークギターを買い・・・気付けば、現在50歳を超えてしまった筆者が居る。・・・その間、兄のように特別にバンド活動をすることもなく、単なる自己満足の趣味の領域で遊んでいたような気がする。・・・しかし、10年前だったか、香港の豪華客船スーパースターレオで旅をした時、船内のフィリピンバンドとジャミングをして、サイモン&ガーファンクルの曲を2曲歌い、大勢のオーストラリア人の観光客からスタンディングオーベーションを受けたのだった。(歌う前は激しいブーイングが聞こえていた)

 そこでまたギターに熱中するようになり、現在では、50万円以上するヒョウ柄のレスポール1本、ゴダンの特注ギター、グレッチのテネシーローズ、タカミネの6弦と12弦などをゲットすることになるのである。単純馬鹿な筆者なので、燃えだしたら止まらない。・・・困ったものだ。

 最近はなかなかギターのネックさえ触れる事もないので、そろそろ各ギターを磨き上げ、できるだけ演奏できる環境を作ろうかとも考えている次第。・・・いやあ、音楽ってホントに楽しいもので、特に皆で演奏して遊べば、そこは現実逃避可能なパラダイス。・・・さ、明日は久し振りに「サウンド オブ サイレンス」の最新バージョンの奏法で弾き語りをしてみようかと!!・・・オーディエンス、全く居ないし。(苦笑)


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  • posted by Chikao Nishida at 2013/7/8 03:14 am

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