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老舗「珈琲アロー」の底力・・・

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 炎天下、珈琲アローに暑中お見舞い方々、熊本ホテルキャッスルのケーキを手土産に、顔を出すことにした。午後2時というのに、カウンター席は満杯だ。よって、右手のウェインティング用椅子に腰掛けて待つことにした。

 それから十数分経って2席が空いた。連れと私はその席へ移り、今日の客層をちらりと見てみた。奥の方々は常連客のようだが、隣は台湾からのお客(写真上)のようだ。

 店主の八井巌さんが一所懸命に説明しているが、台湾の方々には詳細が伝わらない。そこで、お二人に聞くと、英語が良いと言うので、店主の説明を通訳するとにした。

 台湾からのお客は、琥珀色の珈琲を見て、「これ、珈琲ですか?紅茶みたいな・・・、粉はココアみたいな・・・!?」と、唯一無二の琥珀色の珈琲にやや困惑気味だが、段々と興味が湧いて来たようだ。

 黒ニンニクを販売していると言う台湾のお客。店主に言って、琥珀色の珈琲となる豆を1粒食べてもらった。「あ、ちょっと硬いですね。ああ、普通の珈琲の味じゃない。」と不思議そうにしていた。

 1杯五百円の珈琲を飲み、その説明を聞いて、これから博多へ戻ると言う台湾からのお客。名刺交換をして、再会を約束し、次回、熊本へ足を運び入れた時は、必ずコンタクト取るように伝えた。

 それから、東京からのお客が「ネットで調べたら、たまたまこの店が出てきたので立ち寄りました。初めてですが、徹夜明けの疲れが吹っ飛びました。え、五百円でいいんですか?」と言って、琥珀色の珈琲を1杯飲み干して店を出た。

 更に、入れ替わりに博多からと言う女性がやってきた。我々が2時間ほど居座っていた中で、8人ほどが入れ替わった。この炎天下に、国内外からのお客が立ち寄るとは大したものだと、老舗の底力に脱帽したのである。


▼琥珀色の珈琲を説明する八井巌さん(83歳)
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▼珈琲アローの琥珀色の珈琲
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◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995)
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文責:西田親生

                   

  • posted by Chikao Nishida at 2019/8/9 03:56 am

珈琲アロー店主、八井巌さん。

▼珈琲アロー店主の八井巌さん
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 「あらー、お久しぶり!」とカウンター奥から、にこやかに挨拶をしれくれる珈琲アロー店主の八井巌さん。「よう来なはったですね。本当にお久しぶり。元気だったですか?」と満面の笑みである。

 八井さんとの出逢いは、新聞社時代に某役員から連れて行かれたのが最初だった。既に、三十数年が経った。実は、前日に熊本市内中心部を走行中に、その役員だった方を見掛けたのである。新聞社一のダンディズムの塊と言われた、そのお方。当時、マンションの部屋もお隣同士だったので、一緒に酒を飲み歩いて午前様になっても、奥様にはとても良くして頂いた。(もしかすると、背後で中指を立てられていたかも知れない)

 何と奇遇なことだろうと。大先輩のお元気な姿を確認できたが、残念ながら、車内から声を掛けることはできなかった。・・・本日、珈琲アローへ足を向けたのは、大先輩の姿が潜在意識に刻まれたのだろうと思った次第。八井さんにその話をすると、「最近来られんので、○○さんと西田さんのことばかり心配しとったっですよ!」と言ってくれたが、○○さんが元気であると聞いて、安堵してくれた。

 同店は、1964年に開催された東京オリンピックの年に生まれた。今年で55周年になるが、同店には「肥後もっこす」の店主の拘り抜いた「珈琲哲学」が存在している。それは、「本物の珈琲は琥珀色である!」、「砂糖やミルクが店内にあるはずがない!」、「世の中にアメリカン珈琲は存在しない!」、「真っ黒なものは珈琲と言えず、体に良いはずがない!」の厳しい言葉が飛び交う。

 若かりし頃、熊本市内の人気店のバーテンダーから、パティシエに転じ、いつの日か、珈琲の虜となり、研究に研究を重ねた結果が、この珈琲アローとなる。珈琲カップも同店と同じく、そろそろ55歳。天草の水の平焼の分厚いカップが特徴。そのカップは55年前のオリジナル作品のために、もちろん、現在は入手不可能だが、同店の歴史と伝統が注がれた器は、実に重々しくドッシリとしている。

 そこに琥珀色の珈琲が注がれてくる。八井さんの話によると、昭和43年(1968年)に、珈琲嫌いだった三島由紀夫(ノーベル文学賞受賞者の川端康成も認めた文豪)が訪ねて来たと言う。割腹自殺の2年前の話。その三島が「旨い!」と言って飲んでくれたことを、八井さんはニコニコしながら自慢げに話してくれた。

 常連客の飲み方にも特徴がある。1杯五百円の珈琲で、1杯目を青ナマコ(水の平焼)でジワジワとの飲み、そして無言の内に2杯目を注文し、2杯目は赤ナマコ(水の平焼)で仕上げるという流れである。特に、酒を飲み過ぎた方には、酔い覚ましには凄く効き目があるようで、酔っ払っていても4杯ほど琥珀色の珈琲を飲むと、シャンとする(熊本弁)らしい。

 店内の壁を見ると、有名人が足を運び入れていることに気づく。ジャズ歌手の阿川泰子さんの写真もチラリと見え隠れ・・・芸能人にも同店の名前は結構知れ渡っているようだ。元新聞社で直木賞作家でもある故光岡明さんも良く足を運んでくれていたと、懐かしげに想い出話をしてくれた。

 何はともあれ、八井さんの元気な姿を見て、一安心。土産にシュークリームを持って行ったのだが、「娘も喜ぶ・・・いや、全部自分で食べるかも知れんですばい!」と冗談を言いながら、冷蔵庫に菓子箱を仕舞っていた姿が、お茶目で笑えた。帰り際に、カウンター越しにずっと見送ってくれる八井さん。ある程度高齢であるけれども、現在、午前11時から午後10まで、一人で営業していると言う。・・・大したパワーである。


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▼青ナマコ(水の平焼)
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▼赤ナマコ(水の平焼)
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文責:西田親生

                   

  • posted by Chikao Nishida at 2019/7/20 03:03 am

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