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1991年、台風19号の悪夢・・・

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 9月6日、九州に急接近しつつある台風10号。観測史上危険度最高のものらしい。筆者の台風の記憶を辿ると、1991年(平成3年)の9月27日、九州(長崎県佐世保)に上陸した台風19号が、トラウマとして心に深く刻み込まれている。

 鼓膜に違和感を持つような気圧の変化に、体毛が逆立つ。外界が急変した。轟々という音を放つ突風である。強い風圧が掛かるオフィスの窓から外界を覗き見ると、遠目に竹林が横倒しになり、無数の真っ黒な瓦が宙を舞い、烏の大群のようだ。まるで、ヒッチコックの世界である。

 悪夢のような台風が過ぎ去り、熊本市はそれから3日間停電となり、ライフラインが途切れてしまった。一人暮らしをしている友人の母親が住む二階建ての家を見ると、二階部分が折れ、隣の家の一階と二階の間に突き刺さっている。その母親は、たまたま一階に居たので運良く無事だった。

 住宅街を出て、街の中心部へ向かおうとしても、何本もの電柱がなぎ倒され、車での通行は不可。タクシーを呼んでも、幹線道路までの相当な距離を歩かねばならない。当時、インターネットが無い時代なので、思ったように情報が入手できない。停電だから、当然の如くワークステーションも起動しない。

 冷蔵庫にはある程度の食糧は保管していたものの、スタッフは自宅に帰れず、オフィスの2階で雑魚寝の状態。筆者は既に携帯電話を保有していたので、スタッフ家族への電話を掛けることはできたが、停電用電話が無いところへは、全く繋がらない状態であった。

 近所の人たちが、何人かオフィスの停電用電話を借りに来た。今考えれば、スマホの無い時代はとても不便で、テレビの無い空間での情報は、ラジオ頼みとなってしまう。しかし、ビジュアルで確認しなければ、インプットされないものが多い事に気付かされた。

 明日7日、午前零時を過ぎると、台風10号が熊本市西方を北上するようだが、上記のように、地の底まで抉るように襲いかかる台風体験をしている者としては、鼻歌気分にもなれず、じっと静観するしか無い。勿論、大惨事にならぬよう、「生命維持」が最優先である。

 戦慄さえ覚えるような、怖い体験をしていない人に申し上げたいのだが、突き刺さるような突風を軽視することなく、絶対に野外にフラッと出歩かないことである。子供の頃は台風の中でも、小学校の運動場で走り回っていたが、今の台風は、そんなに生優しいものでは無くなった。

 何はともあれ、先ずは「身の安全」を。


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文責:西田親生

                   

  • posted by Chikao Nishida at 2020/9/6 12:00 am

悪夢から、まる三年。

▼熊本地震前の熊本城大天守
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 熊本地震を振り返れば、あっと言う間の3年であった。当時は現実を一瞬間受け入れられなかった。周囲の家々の瓦はほとんど地面に叩きつけられ、壁や石垣は、地獄からの使者が降り立ち、爪で引っ掻いたような亀裂が無数に走っていた。

 水が出ない。ガスが出ない。電気は二十数年前の台風19号(熊本市内は3日間の停電)の経験を生かしたのか、思いの外、復旧は早かった。不幸中の幸いである。しかし、24時間営業のコンビニの弁当やパン、更には飲み物はほとんど売り切れ状態。物流が止まり、ライフラインが完全に遮断されてしまったのである。

 当時、京都や天草の友人から物資(食糧や飲料水)が届いた。ネット事業を本業としている当社にとっては、電気が生きていたので命を救われた。よって、熊本地震後に1日も途切れることになく取材を敢行し、ニュースを掲載し、且つ、クライアントの無事を確認することができた。

 しかしながら、益城町や熊本市中央区の知人友人の情報を聞けば、自宅や店舗、オフィスビルが全壊したという悲しい情報が入り、胸が痛くなった。幸運にも、筆者のオフィスや自宅は何とか耐えている。後々調べてみると、岩盤が硬い位置に建っており、東からの揺れや南からの揺れは、白川や竜田山などが緩衝的役割を果たしてくれたようだ。

 阪神淡路大震災や東日本大震災と比較すれば、絶命した人の数は少ないものの、精神的なショックは想定外に大きかった。そこで、再認識したことは、「水」の大切さ、有り難さである。水は友人が数十リットル運んでくれた。また、16日の地震直後は車で八景水谷湧水池へ避難し、目の前に湧き出る水に心から感謝したのだった。取材途中、熊本ホテルキャッスルのトイレもお借りすることができた。

 熊本地震は筆者にとってもすこぶる教訓となったが、水汲み場、炊き出し場やコンビニなどにおける心無い人たちの挙動、言動・・・人間の汚い本性を垣間見ることもあり、とても悲しい気持ちに陥ったことを思い出す。

 二度と遭遇したくはない大災害。しかし、これからも自然の脅威は遠慮なく、何度も何度も繰り返し襲ってくるのだろうと・・・。


2016年4月16日の記事

 熊本県民のシンボルでもあり、観光立県の要である熊本城。14日の地震で写真のようにシャチホコや瓦が壊れ、また、戌亥櫓の石垣では二カ所が崩壊した。その他、旧細川刑部邸そばの石垣や飯田丸五階櫓などの石垣も被害を受け、次から次へとボロボロに崩れていった。

 写真下は、4月15日に桜の馬場 城彩苑より撮影したもの。無残な姿を目の当たりにして、かなり凹んでしまった。

 ちなみに、本日深夜にこの記事をアップする準備をしていた矢先、突然マグニチュード7.3という、内陸部では最大級の地震が発生し、この記事をアップすることもなく、停電、断水にも見舞われ、やっとのこと、今、記事を掲載することができるようになった。

 しかし、今回の地震は「2016熊本地震」を命名されていはいるものの、本日深夜の想定外の大きな地震で、エリアも九州全域に拡大し、犠牲者がどんどん増えているのが現状。何とも言えない気持ちで、この記事をアップしなければならない。

 叶うことなら、これ以上、地震がおとなしくなって貰いたいのだが・・・。

▼2016年4月15日に桜の馬場 城彩苑から撮影したもの
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▼在りし日の熊本城戌亥櫓(黄色○部分が崩壊)
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▼崩壊した戌亥櫓の石垣(2016年4月15日撮影)※16日に更に大きく崩壊
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▼熊本地震関連の過去記事

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  • posted by Chikao Nishida at 2019/4/14 05:27 am

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