
昨年の12月19日の記事に「チンダル現象」を取り上げたが、部屋の窓のブランドを見ると、西陽が縦に細く入り込んでいた。もしかすると人工的にチンダル現象の一部を創り出し、撮影できるのではないかと思い、早速、撮影準備をしたのだった。
チンダル現象とは、光の特性によって起こる物理化学的現象の一つなので、ブラインドに当たる西陽を雲の隙間から漏れる光と見做して、タバコの煙を吹き掛けて撮せば、何とか絵になるかと。しかし、助手がいないので、右手にカメラ、左手にタバコでは大変だ。
勿論、三脚を立てて行えば簡単だと言うことは分かっているものの、それを準備する時間が勿体ないと思い、強行に及んだ。最初は焦点をどこに絞るかに迷ったけれども、焦点を定め、何度も何度もタバコの煙を吹きかけては、最良の絵面になるよう撮し続けた。
お見せできるのは、以下2枚の写真である。これは、チンダル現象というよりも、タバコの煙が空中で渦になったりして創られる抽象画のように見えるので、その空気の流れと煙の模様を撮影する方に気持ちは傾いて行った。何とも水面に絵の具を流した時のようである。
撮影されたタバコの煙は、人の顔に見えたり、悪魔に見えたり、正直なところ、心霊写真でも撮しているのかと思えるほど、色んな形が次から次へと浮き出して来るけれども、後から見るとゾッとするものもあった。しかし、空気の流れをリアルに撮すのは、結構面白い。
室内であっても、こんな馬鹿げたことをしていると、よっぽど暇人と思われるかも知れないが、それがカメラの魅力でもあり、実験撮影の醍醐味でもある訳だ。僅か5分ほどの撮影時間だが、相当集中したためか、撮影後はぐったりと疲れてしまった。
タバコの煙では健康に悪いので、できることなら静かな森へ出掛けて、木漏れ日から生じる本物の美しいチンダル現象を捉えたいものである。
▼室内で捉えたチンダルもどき現象(タバコの煙と空気の流れ)


▼昨年末に撮影した普賢岳(長崎県)方面のチンダル現象

▼2021年12月19日付記事「チンダル現象に釘付け」
https://www.dandl.co.jp/rsblog/index.php?UID=1639839600

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