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リッツや帝国に学べ!!!

※記事と写真は関係ありません

JOSUI


<ホテルの感動秘話>
 ホテル文化を学ぶには、ザ・リッツ・カールトン(前身ザ・リッツ/1898年開業)や帝国ホテル(1890年開業)などの五つ星ホテルをオススメしている。理由としては、歴史と伝統を誇り、そこには多くの感動秘話が存在するからだ。意表を突くような接遇であったり、サプライズの連続であったりと、知れば知るほど、そのホテルの実像が浮き彫りとなり、誰しもその素晴らしさに魅せられてしまう。

 リッツでは、ホテル傍にある花売り娘の黒人女性がコンシェルジュに抜擢されたり、アルバイトのビーチボーイがお客のプロポーズの設営演出をしたり、ミッドナイトにも関わらずフレンチのフルコースを提供したりと、一般的なホテルでは普通に「No」とお断りするところを、常に「Yes」のベクトルにて可能にして行くのである。

 帝国でも同じことが言える。シワシワになったスーツ上着を30分ほどでシワ伸ばすばかりかホツレまで修繕したり、予約なしの急な会合について会場を提供したり、徹底的な顧客管理の下にローストビーフを倍増してサーブしたり、お客の注文履歴を把握して新たなリコメンドを行なったりと、AI孫の手のような接遇を徹底している。

<クレドと十則>
 日頃から顧客観察に隙がなく、顧客ニーズの先読みも鋭く、リッツでは「我々は紳士淑女として紳士淑女のお客様にお仕えします」を合言葉として、「No」と言わないホテルのホテルとして、その存在は世界のホテルのお手本になっている。帝国もまた「ヒューマンウェア」に重きを置き、一人一人のスタッフが光り輝いているのである。皆さんがご存知のように、リッツは「クレドの世界」であり、帝国は「十則」の徹底にある。情報共有については、常にガラス張りであり、善きも悪しきも、皆フラットな関係にて、個別に叱責や吊し上げ、晒し者など一人もいない。パワハラ、セクハラ、隠蔽工作を常とする低劣なホテルと比較するのは大変失礼だが、雲泥の差となる。

<一般的なホテルに欠けるもの>
 前述のようなホテルのホテルとして君臨する立派なホテルの感動秘話は枚挙に遑がないが、一般的なホテルには感動というものが希有となる。笑顔もなく、顧客とのコミュニケーションが事務的なもので終わるので、感動があるはずがない。よって、一般的なホテルは上位ホテルの表層だけを物真似しているに過ぎないから、そうなってしまう。更に始末に負えないのは、スタッフが顧客の人間性に対して全く興味もなく、自分本意のやっつけ仕事で1日を終わるから、雲泥の「泥」のままの姿がスタンダードとなり、ヒューマンウェアにもソフトウェアにもハードウェアにも染み付いてしまうのである。よって、レベルの低い接遇が日常となり、決して、顧客に感動を与えることはない。

<教育システム>
 リッツでは、完璧なる社員教育システムを構築実践している。勿論、帝国も一年に一度の社内表彰式を行うが、正規社員のみならずアルバイトも対象に表彰するのである。それに反して、一般的なホテルでは、自社オリジナルマニュアルの存在もなく、アウトソーシングにて似非講師を招聘し、ピンポイントで継続性のない社員研修まがいを実施している。そこには、社員として充実感も達成感も皆無となり、スキルアップ、グレードアップなど期待できるはずがない。特に、自分の好き嫌いで顧客に接する役員が居るとすれば、社員は不幸駅へ片道切符のまま運ばれてしまう。見渡す限り、常識のない低民度の役員が踏ん反るばかりの世界へと!

<ボトムアップは必須>
 出来の悪い捌けぬ役員がいるホテルは、日々トップダウンでギクシャクしている。理由は、社員を育てないから、育たない。育たないから、提案もできずロボット化している。役員がホテリエとしての高等教育を受けていないから、社員を教育できない。だから、社員が育たない。育たないから、顧客満足度が低くなる。堪りかねた顧客がサジェストすれば、出来の悪い役員は耳を塞いで逃げるばかり。その逃げる背中を社員が見てしまう。そして真似をする。真似をした社員を役員が叱責し辞職に追い込む。退職者が増えて長続きする社員が激減。社員急募したのは良いが、社員を育てないから、また育たない・・・という「負の連鎖」となっている。されど、されど、ボトムアップを日常としているホテルは、流石にしっかりと「日々変化、日々進化。」しているのである。

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 兎に角、地方のホテル経営者や従業員の中には、「燕雀知らず天地の高さ」の典型的な人も見受けられ、民度も低い。視野狭窄にて、自らがベスト、世間のスタンダードだと思い込み、豪語している変わり者もいる。ホテル業務とは、顧客の「命」を預かる重責なるもの。よって、付け焼き刃的に軽々なる接遇であってはならず、顧客に対して「区別」と言葉を濁しながら「差別」を行なえば、ホテル自体の信頼を失墜することになる。ましてや、顧客への誹謗中傷、揶揄、陰口など以ての外であり、それを趣味としている人間がいるとなれば、そのホテルは既に終わっている・・・。

 最後に、地方のホテルで発生した「誹謗中傷メール事件」を紹介したい。数年前だったか、或る料理人がスマホのLINEを使って、業務中に食事をしている顧客へ、その仕事を邪魔するような嫌がらせ(誹謗中傷)メールを送ったのである。結局、その料理人は配置転換との噂を聞いたものの、さっさと退職願を提出して姿を消してしまった。残念ながら、その悪業への謝罪もなく、逃げたことになる。もし、これが日常茶飯事となっているようであれば、そのホテルは既に終わっているどころか、刑事訴追は避けられず、取り返しのつかないことになる訳だが、これが実話なのだから、どうしようもない。


▼昨日の記事「日本近代史と文化の変遷を学ぶには・・・」
https://www.dandl.co.jp/rsblog/index.php?UID=1631458800Link

▼半高山周辺にて
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写真・文責:西田親生

               

  • posted by Chikao Nishida at 2021/9/14 12:00 am

日本近代史と文化の変遷を学ぶには・・・

JOSUI


 日本近代史と文化の変遷を学ぶには、日本のホテルのホテルとして、文化発信基地として、常に世の中に新しい風を吹き込んできた「帝国ホテル」の歴史を紐解けば良い。そこには色々な発見があり、食文化をはじめとして、ホテリエの基本、その他諸々のヒントや教科書が隠されている。

 熊本地震やコロナ禍により、近頃遠ざかっている「帝国ホテル」だが、同ホテルは、筆者のグルメやホテルの世界観のマイルストーンとなり、揺るがぬスタンダードとして、国内外のホテルや宿を検証するバイブルとなっている。先ずは、リッツのクレドに対しての、同ホテルの時代を感じさせる「十則」も必読となる。

 現代フレンチの礎を創ったのは、リッツのオーギュスト・エスコフィエ。当時、5000ものレシピを誇るエスコフィエに、日本人として初めて師事し、本格的なフレンチを日本に持ち込み、大正、昭和両天皇の料理番として、長きに亘り活躍した秋山徳蔵。更に更に、現代のフレンチのバイブルを作った巨匠 村上信夫となる。

 ご存知の通り、当時NHKの料理番組にて、村上信夫は「帝国ホテル」総料理長として、オムレツをフォークだけで簡単に作れる手法など、全国の主婦層へ洋食文化を啓発していったのであった。いつもニコニコと笑顔を絶やさず、実に簡単な洋食の作り方ノウハウは、当時の子供たちの弁当にも影響を与えたに違いない。

 エスコフィエと村上信夫が活躍した時代は異なるが、この二人に共通点がいくもあるのが面白いところだ。双方に徴兵されて軍隊で料理を指南したこと。エスコフィエはドイツ軍艦厨房のレシピを完成させ、当時の皇帝から「私はドイツ帝国の皇帝だが、あなたは料理界の皇帝である!」と絶賛されている。

 村上信夫は徴兵された最前線にて、同僚が瀕死の状態に陥り、何を食べたいかと村上が問うと、同僚が「最後にパイナップルが食べたい!」と言い、リンゴを素材として、ナイフでリンゴをパイナップルのように刻み、コンポートを作り、瀕死であったはずの同僚がそれを食して、元気づいたという実話も残されている。

 よって、ホテルのホテルと言われ、旧御三家(帝国ホテル、ホテルニューオータニ、ホテルオークラの3ホテル)ホテルの筆頭として、「帝国ホテル」は全国のホテルに対して、有形無形に影響を与えてきたに間違いない。また、当時より世界各国からのVIPも常宿としたほどに、その格式の高さは言わずもがな。

 以前、筆者が主宰する「先見塾」の塾生を引き連れて、「帝国ホテル」視察を行なった。地下のショッピングモールも帝国発であり、ディナーショーもブライダルも、更には、クリスマスイベントなども、全て帝国発であることが、筆舌に尽くし難いほどに素晴らしい。

 ショッピングモールには、和食、中華、洋食、そして有名百貨店などのアンテナショップが並んでおり、帝国に滞在中に、帝国のエリア外へ出なくても、すべて賄えるところが、如何にも帝国らしく、毎回足を運んでも最高の接遇にて、安心安全な滞在を保証される訳だ。

 グルメで印象に残ったのは、かの有名なバイキングレストランである。全国のホテルにはバイキングというのが当たり前のようなシステムになっているが、これもまた、帝国発であることを頭に入れておく必要がある。因みに、バイキングという名称は、当時、カーク・ダグラス主演のバイキングという映画タイトルが由来となる。

 地階にある帝国直営店のラ・ブラスリー。敷居が高そうで、逆にフレンドリーなレストランであるが、筆者がオススメするのは、帝国自慢のコンソメスープ、ローストビーフ、そして、エリザベス2世が食された海老料理とシャリアピンステーキである。各スタッフのフレンドリーさは、全国でダントツであるが、其々に高度なスキルを持っている。

 シャリアピンステーキは、現在の全国シティホテルであれば大抵作ってもらえる。勿論、このシャリアピンステーキもまた帝国発である訳で、当時、虫歯の痛みに苛まれてステーキを食すことができなかったオペラ歌手シャリアピンの為に、特別に考案された柔らかステーキなのである。もし、お連れがご高齢の方であれば、是非オススメしたい逸品となる。

 帝国について書き出すと、枚挙に遑がないほど、帝国の箱は間口が広く底が深い。そこで最後にお伝えしておきたいことが一つ、二つほどある。諄いようであるが、文化発信基地としての「帝国ホテル」と他の高級ホテルとの大きな違いは、世界最高峰と絶賛されるランドリーサービスである。

 筆者もスーツケースに収納していたスーツの上着が、詰め方が悪くグチャグチャになっていたので、「外出まで1時間くらいですが、この上着のシワはどうにかなりませんか?」とランドリーサービスに依頼。すると、30分でシワがなくなっているばかりか、メモ用紙に「ほつれが二箇所ありましたので」と、直してくれていた。聞けば、スーツやシャツのボタンは、国内のものならば殆ど揃えているというので驚きだ。

 本日、帝国のドラマが放送されるとか。稚拙な文章で申し訳ないが、思いついたまま書いたこの記事を読まれて、そのドラマでも見られれば、より面白くご覧いただけるのではなかろうかと。まあ、そのドラマの内容については、どこに着眼点をおいたドラマなのか知らないので、その点はご了承願いたい。

 蛇足ながら、帝国で思い出したのは、東京オリンピック1964当時の選手村のケータリングは、帝国の「質の量化、量の質化」のノウハウが、素晴らしく機能したと伝えられている。これも、大宴会場でのパーティーやイベントのケータリングノウハウも、帝国発であることを忘れてはならない。

 ただ、最後に一言申し上げたいことは、歴史と伝統、文化が充満した木星のような大惑星が帝国ホテルなのだろうと。よって、コロナ禍で大変な時期かもしれないが、日本を代表するホテルとして、我々の子々孫々にも「ここに帝国あり!」を伝えていただければと考える次第。

※お土産、帝国直営「ガルガンチュア」がオススメ!


▼菊の花々
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写真・文責:西田親生

             

  • posted by Chikao Nishida at 2021/9/13 12:00 am

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