▼近藤亜紀さん(AKIお菓子教室主宰)

京都で人気の「AKIお菓子教室」を主宰している、近藤亜紀さん。以前から、ご実家が150年の歴史ある写真館「スタジオ不二」であることは存じ上げていたが、今回、近藤さんの祖父である藤田義明さん(二代目)と実父である藤田武則さん(三代目)の話を聞くことができた。
写真愛好家としては、「ザ・ノスタルジー」というタイトルを付けたいほど、実に興味深い情報ばかり。Facebookのメッセンジャーにて送られてくる写真の数々の全てを掲載することはできないが、ジャバラ付きのカメラを見れば、サブイボ(鳥肌)ものとなる。
先ずは、祖父である藤田義明さん(二代目)の話に興味を唆られた。明治41年生まれの義明さんは、生涯ダンディズムを貫いた、当時ではモボやハイカラという言葉の典型的な人物。昭和に入って、ハーレー・ダビットソンに跨り、取材に出向いていたと言う。
また、野球が大好きなあまり、地域野球に尽力し、全員のユニフォームを準備してまで、野球に没頭していたと言う、二代目。戦前の話であるが、昭和天皇御行幸の折の撮影をした写真家として、凛とした腕章姿のモノクローム写真が残されている。
方や、実父である藤田武則さん(三代目)は、アマチュア囲碁の名人であったらしい。近藤さんが幼い頃に開催された「京都府囲碁大会」において、周囲に無敵のチャンピオンになっている。当時出版された全国誌「囲碁新潮」では、亜紀さん姉妹が表紙を飾っている。
実は、近藤さんが同写真館の四代目を継ぐ覚悟をしていたところ、父親から「これからの写真館は、デジタル化により大変革の時代を迎えるので、自分の好きな道を歩みなさい。」と言われ、同写真館を三代目で終えることを示唆したとのこと。しかし、88歳の父親は今でも現役である。
父親の助言通りに、近藤さんがお菓子の世界へ進むことを決意した訳だが、父親が語った言葉が余りにも、心に染み入るほど印象深かったので、以下に記すことにした。
三代目の父曰く「写真の世界は、お客様からお金を頂き、更に感謝して頂く素晴らしい仕事だと思う。皆が幸せな時にしか写真を撮らないのだから、お客様からその『幸』を分けて頂いているんだよ。しかし、お菓子の世界に入る場合、勿論、お客様も大切だけれども、一から始める訳だから、先ずは、仕入れ先の信用を得ないといけない。それは、金払いを綺麗にするが肝要。よって、請求書ではなく、納品書が届いた段階で支払いなさい!」と・・・。
※奈良の老舗「道馬軒写真館」(since 1875)は、近藤さんの祖母の実家。
http://www.doubaken.com
▼スタジオ不二 藤田義明さん(二代目)

▼昭和天皇御行幸(撮影:藤田義明さんの同僚)

▼当時の撮影機材(二代目)

▼スタジオ不二 藤田義明さん(二代目)に抱かれているのが孫の亜紀さん

▼スタジオ不二 藤田武則さん(三代目)

▼当時の撮影機材(三代目)

▼古いプリント機

▼亜紀さんと叔母(昭和40年代)


▼藤田武則さん(三代目)が京都府で開催された囲碁大会で優勝した当時の雑誌
左が亜紀さん、右が姉の真紀さん

▼藤田武則さん(三代目)

▼藤田武則さん(三代目)の夢は孫たちの成人式の写真を自ら撮ること
(1)近藤さんの長女撮影風景(アシスタントは武則さんの妻)

(2)近藤さんの次女撮影風景(アシスタントは武則さんの妻)

▼スタジオ不二の建物の変遷



▼記事をPDF化したもの

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