
ドキュメンタリータッチの映画を探していたところ、「ニュースの真相」に行き着いた。
これは、2004年に再選を目指すジョージ・W・ブッシュの軍歴詐称疑惑をスクープした実話だが、CBSプロデューサーのメアリー・メイプスや同キャスターのダン・ラザーらが東奔西走。最終的に、CBS側から解雇、勇退に追い込まれた話である。
ブッシュ再選に大きな影響を与えかねない一大スクープ。世間では「見えざる力学」が働き、その蛮行なりが「隠蔽」されるのが多々ある中、ブロガーたちの「メモは偽造!」との情報が世間を巡り、ジャーナリズムを押し潰す結果となってしまった。
この「メモ」の存在だが、「ニュースの真相」を観ながら、1972年に世界を驚愕させた米国の「ウォーターゲート・スキャンダル」を思い出した。それを映画化したのが、「大統領の陰謀」。その主役は、ワシントンポストの若き記者のボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインの二人である。
彼らのキーワードは、常に「メモ」、「メモ」、そして「メモ」。裏付けの為に聞き取りをしながら、執拗に「メモ」を取る。現在のようにデジタル、ネット世界ではないのだから、アナログ行動範疇で、鋭い論理思考が見え隠れるするものだった。実に、心地良い。
以上、二つの実話の結末が180度異なったのは、その「メモ」裏付けの精度の問題だったのだろうと。現在でも世界的な「ジャーナリズムの鏡」とされるボブ・ウッドワードとカール・バインスタイン。彼らは、剃刀のような切れ味の頭脳といい、真実に対する情熱や執念といい、只者ではなかった。
しかし、前者のようにブロガーの発言や「社内隠蔽」と、会社の都合により「社会正義」が歪曲され、保護されなかったものも多々存在するのは周知の事実。この田舎熊本でも、写真下のように大量の「メモ」=「エビデンス」が残されているにも関わらず、「隠蔽」に走る会社もあるようだ。
「社会正義」か「隠蔽工作」か!?・・・勿論、ジャーナリズムが目指すものは「社会正義」、「公正中立」に他ならない。ただ、名のある会社だったり、その歴史だったりが邪魔をして、「社会正義」を無視し、「保身」のために「迷走」を繰り返す人も会社も後を絶たない。
そこで、パワハラなどの被害者が発生しているのであれば、「被害者救済」が最優先となるのが、常識的な企業コンプライアンス事案。ところが、「被害者救済」どころか、水面下で隠匿に加担する輩もいるようだ。されど、会社ぐるみの「不正」は、必ず暴かれるのが必至となるに違いない。
蛇足ながら、「ニュースの真相」のキャスター役と、「大統領の陰謀」のカール・バーンスタイン役は同一俳優で、ご存知の、「ロバート・レッドフォード」であった。
▼「メモ」こそ、最強のエビデンス・・・

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