
八女茶発祥の地として知られる霊巌寺(れいがんじ)。同寺は福岡県八女郡黒木町笠原の山林に囲まれたところにあり、普茶料理でも有名な食事処。自称グルメ通の筆者にとっては、京都の天龍寺に勝るとも劣らなぬ普茶料理のお寺さんとして、すこぶるお気に入りだった。今まで、数回は足を運び、その普茶料理を堪能している。
三十三年ほど前(新聞社時代)に初めて訪れ、自然てんこ盛りの優しい普茶料理に感銘を受けたのであった。豪雨が続く昨今、甚大な被害が出ている福岡県や大分県の情報を知り、同寺や女将さんことが気になり、唐突に電話をしたのだった。(五年前の大水害の時にも安否確認の電話をしている)
電話先の息子さん(現在の種田明道住職)にお母様のことを尋ねると、残念ながら昨年他界されたとのこと。言葉を失ってしまった。無念の一語に尽きる。最後にお会いしたのは2009年(料理写真を撮影した時)で、当時、筆者が引率したロゼッタストーン異業種交流会のメンバーを、心から世話をしていただいた女将の笑顔を思い出される。
実は、全国各地に多くのファンを持つ同寺の「普茶料理」だが、昨年、お母様が他界されてからは休止しているとのことであった。手間暇のかかる普茶料理だけれども、何とか近い内に再開していただければと、切に願うばかりである。ちなみに、住職によれば、再開を目指して試行錯誤しているとのことだったので、正直、ほっとした。
ふと気付いたのであるが、以前、NHK連続テレビ小説「ほんまもん(放送期間:2001年~2002年)」の主人公のモデルとなった、かの有名な故 村瀬明道尼(月心寺)の法名が、偶然にも、霊巌寺の息子さんと同じ「明道」であることに、何か不思議な気持ちとなった。・・・何かのご縁なのだろうか!?
※月心寺も、同じく、三十三年ほど前(新聞社時代)に足を運び、酒の一升瓶を片手にした村瀬明道尼を前に、見事な普茶料理を食したことがある。
【霊巌寺】福岡県八女郡黒木町笠原
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