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日本料理えのきぞの 連載(1)

▼日本料理えのきぞの外観

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▼「日本料理えのきぞの」料理長 榎園豊成氏と奥様
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 数年ぶりの旧友との会食。勿論、予約を入れたのは、「日本料理えのきぞの」(熊本市中央区新屋敷)である。

 熊本市内高級住宅街である新屋敷の大井出(加藤清正の治水事業)沿いにある、隠れ家的「日本料理えのきぞの」。三代目榎園豊成氏の優しい手作り料理は、格別である。

 同店の前身を基礎を築いたのは、同氏の祖父。料理学校からスタートし、現在に至っている。祖父は昭和元年に東京上野精養軒の社員となり、同店には100年近く前のレシピが残されている。

 今回予約したのは、五千五百円(税込)のコース料理。東名阪などの大都市部の食事処ではあり得ぬほどのリーズナブルさである。

 最初にサーブされたのは、写真下の「先付 長茄子のとんぶりかけ」。猛暑が続く熊本の空の下で、ひんやりとした長茄子とウニは喉を潤し、旧友との会食を盛り上げてくれる。

 二人ともノンアルコールビールでの乾杯となったが、先付をパクッと食べてしまい、次の前菜を待つことにした。

 閑静な佇まいの同店前庭を愛でながら、「清茶半日向前庭」(清茶半日前庭に向かう)という言葉が脳裏に浮かんできた。

▼先付 長茄子のとんぶりかけ
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▼お品書き(2023年8月31日)
先付  長茄子のとんぶりかけ
前菜  甘長唐辛子の白和え 海老
    ぜんまいくるみ和え 枝豆
    鯛けんちん 鯛の子玉じめ
    鮎甘露煮 丸十
吸物  焼き鱧 ジュンサイ
向付  鯛 鱧の湯引き
箸休め 冷製南禅寺蒸し
焼物  マナガツオの柚庵焼
焚合  穴子 白だつ
食事  鮎寿司 味噌汁
甘味  もも   
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▼130年の歴史を誇る 株式会社 中島本店 代表取締役 中島祐爾氏
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▼中島祐爾氏から昨夜送られてきた「満腹」メッセージ
「美味しい和食久しぶりいただきました。腹一杯なったのでゴルフ練習行ってました。またよろしくお願いします。」

※因みに、同氏のゴルフの腕前はシングルである。

▼自称グルメ通一押し、町場の『えのきぞの』・・・懐石料理や弁当を一度食せば、完璧、癖になる!
https://note.com/chikaonishida/n/nfe2c0eee6e3dLink
▼逸品一筆
https://note.com/chikaonishida/m/m8168b0aad056Link
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写真・文責:西田親生


             

  • posted by Chikao Nishida at 2023/9/1 12:00 am

地道に歩む食事処に優るものはない。

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 本日、久しぶりにご紹介するのは、「日本料理えのきぞの」である。筆者にとっては隠れ家的存在であり、粋な食事処として時折利用させて頂く。

 以前は熊本市内の大江地区にあったが、2018年9月19日に現在の新屋敷へ移転。前身は名の通った料理学校であり、そこで教鞭をとっていた三代目の榎園豊成氏が一念発起して世に出したのが「日本料理えのきぞの」になる。

 祖父は昭和の夜明けに東京上野の精養軒に勤務しており、全国の料理人憧れのハイカラ・レストランにて修行を積んでいた。その百年に及ぶノウハウの蓄積が、二代目、三代目に継承され、四代目も裏方にてしっかりと同店を支えている。

 新屋敷に移転して早々にコロナ禍となり、大変な時期を乗り越え、現在に至っている。その間、根強いファンが定期的に弁当を注文したり、家族連れで記念日を祝ったり、お節を注文したりと、地道に歩む「日本料理えのきぞの」を支えてくれた。

 同氏は、熊本県内では名門私立の進学校に進んでいたが、祖父、父の継承を決意して、日本料理の修行のために関西方面に赴く。寡黙で柔和な性格のプロ中のプロの職人であり、地道に歩む姿勢は頑固なまでに変わらない。

 多くのメディアの取材があろうとも、丁重にお断りをして、自らの遣るべきことをしっかりと遣り通す信念には、圧倒される。同氏と奥様、そして長男が営むこぢんまりとした食事処には、筆舌に尽くし難いほどの「日本料理の原点」を垣間見ることができる。

 最初にお会いした頃に、月心寺の故 村瀬明道尼(NHKドラマ『ほんまもん』の主人公)が創り出す「胡麻豆腐」の話で盛り上がったが、熊本県内にて村瀬明道尼の「胡麻豆腐」を知り得る人は、そう多くはないと推察する次第。

 筆者も若き頃(新聞社の若造/RICOH全国講師を受けていた頃)に、村瀬明道尼健在なる時、月心寺に足を運び入れ、精進料理を満喫したことがあった。豪快な村瀬明道尼であり、「胡麻豆腐」の強烈な印象は脳裏に焼きつき、筆者の精進料理のスタンダードになっている。

※NHKドラマ「ほんまもん」の村瀬明道尼役は野際陽子さんが演じた。

 このように、日本料理の歴史と伝統を受け継ぎ、その貴重な食文化、食育を啓発しているのが、同店のような地道に歩む食事処であると言える。

 決して、ローカルテレビのタレントが食文化を学ぶこともなく、宣伝方々わいわい騒いで紹介するような、軽々なる存在ではない。

 畢竟、地道で平身低頭なる姿勢で、究極の日本料理を可能な限りリーズナブルに提供している食事処に勝るものはないということである。

 兎に角、日本という国は、歴史と伝統を誇る歌舞伎、茶道、華道、邦楽、高級寿司店など、筆者のような一般庶民には縁遠いものではあるが、それぞれの原点を軽視して尖りすぎると、最近の報道でお判りのように、スキャンダラスな事件事故が頻発するのではないかと危惧している次第。

 命を支える「食の原点」とは如何なるものかを振り返り、唯一無二なる日本ならではの「食文化」を啓発している食事処に目を向けられてはと思うばかり。

 きっと、〆となる「土鍋焚き立てご飯」の素晴らしさが、脳裏に焼き付くに違いない。

▼月心寺公式サイト
http://gesshinji.jpLink
▼日本料理えのきぞの公式サイト
https://www.dandl.co.jp/enokizono/Link
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▼ランチ、ディナーの懐石料理サンプル
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▼茶懐石料理サンプル
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▼逸品一筆
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写真・文責:西田親生


             

  • posted by Chikao Nishida at 2023/7/3 12:00 am

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