
次世代のSNSと話題の「Clubhouse」だが、最初は三尺玉の大きな花火が打ち上がっていたが、日本上陸から2ヶ月も経った現在、一部は、線香花火のように縮んでいるところが増えているように思えてならない。
直感的な捉え方で大変申し訳ないが、立ち上がる部屋の数が激減し、日々アクティブに動いている方々も見掛けたことがあるような名前ばかりで、飽きが来たのか、ちょこちょこと動き回っていた初心者マークや一見客の姿が見えなくなった。
熱しやすく冷めやすい日本人らしくもあり、正直なところ、想定内の現象である。価値観は人それぞれにて、何が良い、何が悪いとは断言できないが、この新SNSを生かすか殺すかは、貴方次第。誰も教えてくれるはずもない。
有名人に群がる人たち、それも結構な話である。酒を飲みながら遠隔にて宴会を楽しむ人たち、これも素敵な話である。心に迷いが生じ、同じような体験談をする人たち、これもまた心癒される話である。ただ、リアル世界に戻った瞬間、虚無感に苛まれることがある。
2007年に日本上陸した仮想現実世界「SecondLife」も同様に、上陸時から2年ほどは、大手広告代理店を先頭に、大手メーカーが次々と参戦し、その周囲には一般のアバターが蟻のように群がって、お祭り騒ぎとなっていたことを思い出す。
懐かしいかな、この「Clubhouse」よりも、遥か最先端を走る世界であった訳だ。しかし、その時も、大玉が打ち上がったと思っていた矢先、広告代理店やメーカーが退散し始め、現在、日本のユーザーなんぞ数千人もいないのではなかろうかと。
ここで問題なのは、初めてお会いする方々を「友達」と安易に言ってしまいがちなSNS的価値観である。すこぶる「緩い関係」なのに、何故に、「友達」と言えるのか、筆者には理解し難い価値観として、今も尚、心の中で首を傾げるばかりとなる。
特に、「SecondLife」では、自分の分身であるアバターの存在を介して、相手とコミュニケーションを取るのだが、相手のリアル世界の実態など知る由もない。その点、「Clubhouse」の方が、肉声のみであるものの、他のSNSを介して実態を把握することが可能となる。
それでも、一部の人たちは、虚偽のプロフィールをしたためて、常に仮面の中からこちらを覗き込んでいる。声も「他所行き言葉」でトーンが高く、可愛い声やらアナウンサーのような声やらが飛び交うのである。しかし、それが実態なのか?否か?・・・非常に悩むところとなる。
ただ、この「Clubhouse」に至っては、非常にシンプルな仕組みの中で、従来味わったことのない感覚に陥り、まったりする方も多いのではなかろうか。筆者も「SecondLife」時代と比較すれば、肉声と声帯の響きを感じれば、不思議なことに、その人なりの姿がくっきりと目に浮かんでくる。
畢竟、このようなSNSにおいては、「仮面の告白」なんぞ聞く価値はない。よって、胸筋開いて、実寸大の人間像を曝け出す方々との接点が重要ではなかろうかと。しかしながら、パブリックな場で、それも大勢の中で、プライベートなことをクドクド話すのは耳栓もので、オススメするものではない。
▼既に散りさった今年の椿たち(八景水谷公園)




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