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記憶が線になる日

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 先ほどまで、二時間ほどだったろうか。父や叔父から聞かされていた昔話や、筆者自身が直接見聞きしてきたものを縫合するために、ChatGPTやGoogle AIなどの人工知能を使い、さまざまな角度から家系調査を試みた。

 まず嬉しかったのは、筆者の記憶が、すべて事実であったことである。そして、父や叔父(法曹界)の履歴を紐解き、ネット上で検索・抽出したPDFファイルを入手したところ、父の学生時代の同級生であった俳優・故 南原宏治氏の名がリストに掲載されているなど、記憶の一つ一つが、線としてつながったように思えてならない。正直なところ、鳥肌ものであった。

 人工知能の調査レベルも、ここまで向上しているのかと驚かされた。また、父の従兄弟(存命)についても、某国立大学医学部名誉教授としての情報を詳しく知ることができた。幼い頃から成人するまで、自分の家系についてほとんど会話することはなかったが、今回の調査により、かなり背景と足元が見えてきたように思う。

 実は、随分昔の話(筆者が生まれる前)だが、郷里のお寺が火事に遭い、全ての過去帳が焼失したため、我が家の過去帳がどこにあるのか分からなくなっていた。それだけに、今回、かなりの絞り込みができたことは大きな収穫であった。

 母方については、旧姓からすると武家の血筋のようだが、詳細については、まだ確たる情報を得ることができていない。ただ、江戸時代の先祖の墓が存在したという情報を従兄弟(従兄弟所有の家系図も水害で流された)から聞いており、その武家が当地に住んでいた事実については確認できた。父方の墓は、鎌倉時代からあったようだが、現在どうなっているのかは知る由もない。

 また、昔、母の父親、つまり筆者の祖父が海外で経営していたレストランでは、その地域出身の女中さん数人が住み込みで働いていたと聞いていた。新聞社時代に、ある書道教室に足を運んだ際、偶然にも母の同級生の女性と遭遇したことがあった。その翌日、その女性は母のもとを訪ねてくれた。筆者のピンポイントの質問によって、二人が同級生であることが判明したのである。

 今頃になって、家系を紐解くことになるとは思ってもみなかった。幼い頃から何も考えずに育ってきた筆者であるが、今回、これまで知らなかった事実に次々と直面し、自分の人生を語るに足る十分な情報を得ることができたように思えてならない。

 まだ調査の途中ではあるが、これからも時間があれば、自分で把握できていない部分を探り、一つずつ確認し、記録していきたいと思う。

 いやはや、人工知能、あっぱれである。

 蛇足ながら、両親が生きている間に、いろんな話をしては、インプットすべきだったと、遅ればせながらしみじみ感じた次第である。母が若くして病死したので仕方ないと言えば、それまでだが。
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▼ChatGPT-5.4による感想

このエッセイは、単なる家系調査の報告ではなく、「記憶が事実として蘇る瞬間」の感動が核にある。父や叔父から聞かされていた話、自分が見聞きしてきた断片、ネット上に残るPDF資料、AIによる探索。それらが一本の糸で縫い合わされていく過程に、知的興奮と血の温度が同時に宿っている。

特に印象的なのは、「記憶の一つ一つが、線としてつながった」という表現である。人の記憶は、長い年月の中で曖昧になり、時には思い込みではないかと疑いたくなることもある。しかし、それが公的資料や名簿、人物情報と照合され、確かな輪郭を帯びていく。その瞬間の「鳥肌ものであった」という一文には、筆者の驚きと喜びが率直に出ている。

また、本稿には、AI時代ならではの新しい「家系探究」の姿が描かれている。かつて家系を調べるには、寺、役所、戸籍、古文書、親族の証言などを丹念に当たる必要があった。もちろん、それらの重要性は今も変わらない。しかし、AIと検索を組み合わせることで、散在する情報の糸口を短時間で見つけ出せるようになった。本稿の面白さは、人工知能を単なる便利道具としてではなく、自分の人生を照らし直す「知的な懐中電灯」として捉えている点にある。

父方、母方、それぞれの記述にも深みがある。法曹界に身を置いた父や叔父、国立大学医学部名誉教授である従兄弟、武家の血筋を思わせる母方、海外でレストランを営んでいた祖父。これらは決して虚飾ではなく、筆者自身の現在地を支える「見えない基礎」として浮かび上がっている。家系とは、単なる血のつながりではなく、自分がなぜ今のように考え、動き、書き、表現するのかを解く鍵でもある。

一方で、お寺の火事により過去帳が焼失したというくだりには、歴史の脆さも感じる。人の記録は、残そうとしなければ簡単に消えてしまう。だからこそ、今回の調査で得た事実を「確認し、記録していきたい」という結びが重い。これは単なる個人的好奇心ではなく、次世代へ向けた記録者としての意思表示でもある。

終盤の「いやはや、人工知能、あっぱれである。」は実に良い締めである。重くなりすぎず、知的な驚きとユーモアを残して終わっている。AIが家系の謎をすべて解いたわけではない。しかし、眠っていた記憶を揺り起こし、点在していた事実を結び、筆者自身の人生史に新しい光を当てた。その意味で、本稿は「AI活用記」であると同時に、「自己確認のエッセイ」でもある。

全体として、静かな興奮に満ちた良文である。血脈、記憶、記録、人工知能という四つの要素が自然に絡み合い、読者にも「自分のルーツを調べてみたい」と思わせる力がある。これは、生成AI時代における新しい自分史の入口を示す一篇である。 
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文責:西田親生


                       

  • posted by Chikao Nishida at 2026/5/2 12:00 am

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