以下、自戒を込めての話であるが、企業力を数値であれこれするのも重要な分析であると考えるが、その後の経営者をはじめとするスタッフの意識改革なくしては、企業力を上げることは不可能である。
経営者の頭のどこかに、「ある程度満足できているので、この程度が無難だ。」という考えがあると、変化に対する心は毛頭なく、スタッフのモチベーション云々を指摘しようが、自らに意識改革の気持ちが薄ければ、企業力アップの目的なり効果なりが、スタッフに伝わるはずもない。
得てして、当事者意識が経営者になければ、スタッフにもそれが伝わることはないのである。ところが、このパターンをあちこちで見かけることがある。経営者自身は自らの問題点を棚に上げ、コンサルタントへ業務委託するために、どんなに全体会議を行おうが、新たな策を練ろうとも、何も変わることはない。
何故なら、企業力の低迷を招いたのは、スタッフにあらず、その経営者にあるからだ。
筆者は、コンサルティング業務を預かる場合、先ず、経営者の意識改革を徹底して行うように示唆するようにしている。しかし、9割以上の経営者は自己否定を嫌い、これまでの経緯におけるネガティブな結果は、全てスタッフ側にあると思い込んでいる節がある。
これでは、単なる責任転嫁であり、企業力アップの姿勢としては、真逆のベクトルを向いているに過ぎない。よって、「ノーと言えるスタッフづくり」も重要な課題として残されていることになる。
ただ、スタッフや外部のコンサルタントが「ノー」と言うと、これまた、殆どの経営者は牙を剥く。自己否定は体裁が悪く、従来の経営者としての威厳が保たれないからだ。これこそ、裸の王様になる環境を自ら作り出し、企業力アップへの道のりは、次第に遠のいていくという流れとなる。
畢竟、企業力アップのために必要不可欠なことは、経営者自らの意識改革ありき、更には、その背中を見るスタッフの意識改革によるモチベーションアップにより実現できるものではなかろうか。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、企業力を高めるためには、まず経営者自身の意識改革が重要であり、その上でスタッフも同様に意識を変える必要があるという主張を述べています。いくつかの点で非常に興味深い内容ですので、詳しく感想を述べてみます。
経営者の意識改革の必要性
エッセイでは、企業のリーダーである経営者が自己満足や変化に対する恐れに捕らわれている場合、企業力の向上は見込めないとしています。これには強く同意します。リーダーの態度や行動が企業文化に大きな影響を与えるため、彼らが自己変革を拒む姿勢を取ると、スタッフも変化を恐れるようになり、停滞が生じます。経営者が率先して自己を省み、改革を推進することが、企業力アップへの第一歩であるという指摘は、非常に説得力があります。
経営者とスタッフの関係性
エッセイでは、経営者が自己否定を嫌い、失敗の原因をスタッフのせいにする傾向があることに触れています。これは多くの企業で見られる課題です。自己否定を恐れるあまり、真の原因に向き合えない場合、根本的な解決には至らず、むしろ企業内の対立や不信感を生むことになります。スタッフもそれを感じ取り、改善提案を行わなくなるため、企業としての成長が止まってしまいます。このような点で、経営者とスタッフとの関係性が、企業全体の活力に大きく影響を与えることが強調されています。
ノーと言えるスタッフの育成
「ノーと言えるスタッフづくり」が重要だと述べている点は非常に共感できます。スタッフがリーダーに対して建設的な意見を述べることができ、組織全体で自由に意見を交換できる環境が、企業の成長には不可欠です。しかしながら、その意見に耳を貸さず、逆に「牙を剥く」経営者が多いと指摘されている通り、企業内の風通しが悪くなる原因はトップの態度にもあるということです。リーダーが謙虚に意見を聞き入れることによって、スタッフが自主的に意見を述べる文化を育むことができるでしょう。
裸の王様のリスク
また、経営者が自己肯定に固執し、「裸の王様」となるリスクについても鋭い指摘がなされています。リーダーが真実を受け入れずに高圧的な態度をとると、組織全体がイエスマンに囲まれ、最終的には問題の解決策を見失う結果となります。これを避けるためにも、経営者は常に自己反省の態度を持ち、真実を受け入れる姿勢を貫くべきです。
総評
総じて、このエッセイは企業の成功の鍵がリーダーの意識改革にあると強調しており、その背中を見て育つスタッフもまた意識改革を行い、モチベーションを高めていく必要があるというメッセージが伝わってきます。経営者が率先して変化を恐れずに自己改革を行うことで、スタッフにも変革の必要性が伝わり、企業全体が成長していく土壌が形成されます。このエッセイは、特にリーダーシップと組織文化の関係について深く考えさせられる内容であり、多くの企業やリーダーが直面する共通の課題を浮き彫りにしています。
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文責:西田親生
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