
先般、水前寺東濱屋を訪れ、鰻の蒲焼き風景を取材することにした。・・・想像以上に厨房は熱気が凄い。単なる炭火ではないかと侮っていたが、かなりの高熱であることを実感した。
さて、店主の吉田明さんが菜箸を両手に持って、極上の鰻を焼き始めた。・・・よく見ると、長い菜箸・・・右手に2本、左手に1本、計3本の菜箸で鰻を捌いている。・・・何と器用なんだろうと感心してしまった。
取材を終わり、その菜箸が気になり、何故3本なんだろうと考えてみた。・・・奇数「3」という数字は実に不思議な数である訳で、その「3」という数字を見つめながら、ブレーンストーミング的に、それに関連するものを頭に浮かべてみることにした。
ピラミッド、トラス構造、クラッカー、長嶋茂雄、加藤清正の三本槍、ロータリーエンジン、ギャルソンが持つトレイの指三本支え、蛇腹、CGのポリゴン、超音速旅客機コンコルド、カメラやビデオの三脚・・・と果てしなく多くの物体や人のイメージが浮かんできたのだった。
2つの点を結べば線ができ、その点が3つになると面となる。・・・なるほど、最小限の点でできる面が三角形であり、これを三次元空間で繋げて行くと、どんなに起伏があろうとも、捩れがあろうとも、スムーズに立体として表現できる。・・・それがポリゴンなのであるが・・・。
しかし、ただイメージしただけなので、全く頭の中の整理はできてはいない。・・・しかし、この「3」という数字は、筆者にとってはとても興味深く、「安定」という感じを受ける一方、「割り切れない」という感じも受けるのだ。
例えば、カステラを3人で食べる時に、3等分しようとすれば・・・そのカステラ全体の長さが「3」で割れる長さならば何も問題はないものの、仮にそのカステラ一本の長さが25センチとすると、物理的にきっちりと1/3には切ることはできない。・・・よって、二つのカステラの長さが8.3cmとなり、そして残りの一つだけが8.4cmと1mm長くなるのだ。
カステラや羊羹切りなどで割り切れないという、ネガティブイメージを「3」に持つことがしばしばある。しかし、逆に、すこぶる「シンプル」、「安定」、「強固」というポジティブな特性が「3」には多く含まれている。・・・建築のトラス構造やピラミッド構造となれば、剛性の高い構造体となっているし、通常のエンジン(シリンダ+ピストン)と比較した時、エンジンの大きさ(容積)を同じくすれば、「3」を取り入れたロータリーエンジンの方がずっと馬力が大きく、振動は殆どない。
話は妄想の世界に入り込み、意味不明なところも拭いきれないものの・・・今回の水前寺東濱屋店主の吉田明さんの「三本菜箸の妙技」は、上述の「3」の特性を活かした手法なのだろうと・・・取材中にファインダーに眼が貼り付いてしまった次第。・・・以下の三本菜箸の動きを見ると・・・鰻をタレに漬けに行く時、菜箸が上手い具合に「面」を作り、鰻がスムーズに空中を移動しているのだった。
なるほど!!!
▼三本菜箸の動きをご覧下さい!



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