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最近話題のプロンプトエンジニア・・・

kiji20230313-3


 商用ITが日本上陸して四半世紀を過ぎて思うことは、多種多様なる業界の垣根を外し続けたIT業界において、エンジニアという概念が年々細分化された為に、総合力に欠けた人間が急増し、今では何でもエンジニアのように、束で数の勝負をしている感がある。

 最近話題となっているプロンプトエンジニアについて考察すると、筆者としては、日々AIを利用する場合に、露払いのところで当然考えており、それが一つの職業云々と大々的に報道されることに、価値観を見出せないでいる。何故なら、ITのプロフェッショナルならば、日頃から現在進行形で常識的なルーチンワークとしているからだ。

 アメリカではいろんな職業があり、日本では考えられない(日本独特の職業差別)ようなものでも、立派な職業として認められているところが素晴らしい。しかし、このプロンプトエンジニアの定義と価値を理解できる中小企業の経営者がいるかと問えば、地方経営者の答えは殆ど「ノー」であろう。

 テキストや画像を生成するAIに向かう中で、人並外れたイマジネーション能力とボキャブラリー、そして広範な知見や豊富な経験が必要となる。更に、AIの癖を見抜き、自らのイメージした究極の画像を生成させたり、期待するテキスト生成のAIを逆にコントロールするのが、秀でた人間の役目であることを認識すべきである。

<テキスト生成AI ChatGPT>
https://chat.openai.comLink

 テキスト生成のChatGPTに関しては、先ずは、自ら書き綴った「エッセイ」や「記事」を評価させることから始めてみると分かりやすい。評価させる文章を、「記事」とするのか「エッセイ」とするのかで、AIの評価する着眼点や切り口が変わってくる。よって、意図せぬところで「高評価」になったり「低評価」になったりブレが生じることがある。

 添削を指示すると、誤字脱字を中心としたものとして校正してくれるが、急に「である調」が「ですます調」に変わったりもする。しかし、AI側は「一般論」としての根拠(論拠)が学術的なバックボーン(ディープラーニング)を重要視する余りに、個人的見解を嫌う傾向(評価基準外)にある。

 個人的見解を嫌う傾向を意識し過ぎて、AIの理想に近づけようとすれば、「エッセイ」や「ポエム」などは面白みが薄れてたものに成り下がる。「記事」であれば法的なもの、経済的な指標、公開されている学術論文などが伴い裏付けとなれば、これまた当然のように「高評価」となる。痛し痒しである訳だ。

 しかし、AIの評価が高いからと言って、その「エッセイ」や「記事」、「報告書」、「企画書」が上質にて価値があるかと言えば、安直に「イエス」とは言い難い。

 何故なら、AIの本質を熟知したとしても、AIの論理思考へ流されると、元々書き綴られたオリジナル文書内容の論点がズレることもあり、価値のないものになってしまう。

<画像生成AI Skybox AI>
https://skybox.blockadelabs.comLink

 画像生成AIについても同じことが言える。現在、筆者が利用している画像生成AIは英語のみのキーワードで、AIに自らのイメージを伝えるが、AIの資質を見抜かぬ限り、とんでもない画像が眼前にジェネレートされてしまう。ジェネレートされた画像を見て、面白おかしく楽しむ程度のものなら、それで十分である。

 画像生成においては、全天球型背景のCGを商用に利用する場合、結局は、テキスト生成AIの場合と同様に、利用する側の人間には、人並外れたイマジネーション能力とボキャブラリー、そして広範な知見や豊富な経験が必須となってくる。

 注意点は、商用でもプライベートでも、「著作権」を全てクリアすることが大前提となる。「知的財産権」について、各国の国際法上の取り決めや法的制裁がどうなるか流動的なところがあるが、日本国内を見る限り、「著作権法」は刑法上かなり厳しくなっているのは間違いのない事実。しっかりと、頭にインプットしておくことが賢明ではなかろうか。

<テキスト生成AI実験予定>
 筆者なりに構築した「茶道分析鳥瞰図」の中にあるキーワードを使い、テキスト生成AIによって、岡倉天心が書き綴った「THE BOOK OF TEA」をどのように表現するのか実験してみようかと・・・。

▼西田親生の「茶道分析鳥瞰図」
chado


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写真・図・文責:西田親生


             

  • posted by Chikao Nishida at 2023/5/31 12:00 am

THE BOOK OF TEA...岡倉天心

JOSUI


 元々、「茶道」を嗜む人間ではない。随分昔の話だが、「茶道とは何なのか?」と疑問を抱いたことがあった。侘び寂びの世界が凝縮された審美的な宗教観とは何か?また、茶の歴史はどうなっているのか?といったことについて、自宅にある茶道具を見つめながら探求してみることに・・・。

 「茶道」という唯一無二の存在は、中国から渡ってきた茶に由来しているが、なぜ日本でのみ確立され、現在も続いているのだろうか。また、「茶道」がどのようにして日本料理や華道に影響を与えてきたのかなどを考えるにつれ、その広がりと深みに圧倒されたのだった。

 調べてみると、最初に出会ったのは千利休ではなく、「茶道」の世界を英文で書き記し、約100年前にニューヨークで出版した岡倉天心であった。彼は東洋の哲学と芸術の優位性を訴え、その名を冠した「THE BOOK OF TEA」を西洋に向けて発信した。残念ながら、当時の日本は欧米化が盛んな時代であり、岡倉天心のメッセージは注目されずに終わっている。

 これまで何度か茶会に招待されたことがあった。申し訳ないが、岡倉天心から学んだこととは異なる世界であり、全て断わることにした。言葉は悪いが、それらの茶会は自己満足の場であり、上下関係を作り出し、セレブ気取りの催しのように思えたのである。岡倉天心が唱える審美的な宗教観や慈悲、質素なものへの安らぎといった要素は全く見当たらず、貴婦人の部屋を彷彿させる装飾や演出ばかりであった。

 先日も、3月に行われた或る茶会に招待されたが、早速辞退することにした。その後、SNSで写真や記事を見ると、案の定、主催者が自慢話ばかりで、客人どころか、自らが赤毛氈に包まれたバンコの中央に座し、満面の笑みの写真が、いの一番に掲載されていた。

 これは本来の「茶道」であるはずの岡倉天心のメッセージではない。俗に言うところの「なんちゃって茶道」に過ぎないのである。以前、その主催者に対して、岡倉天心について尋ねたことがあったが、彼は全く知らぬと答え、驚かされたのである。

 中国から渡ってきた茶。唐代の「団茶」、宋代の「抹茶」、そして明代の「煎茶」といった歴史も知らず、さらに「茶道」の原点についても無知な人々が、どうしてこのような茶会を主催するのか、首を傾げててしまう。岡倉天心や「THE BOOK OF TEA」の存在さえ知らないのだから、話にならない。

 私を茶会に招待した上述の主催者は、無償で私に取材を頼んだり、自分が主人公となる素敵な写真をたくさん撮ってもらうことを目的としていたようだ。その程度の人物が主催するのだから、「茶道」やその歴史を築いてきた先人たちの「心」を軽んじる行為と思われて仕方ないのである。

 岡倉天心については数冊の書籍を読んでいるが、彼自身のことや「THE BOOK OF TEA」を書く際にどのような情報をどのように入手し、分析し、練り上げたのかについても知りたくもなる。

 因みに、「THE BOOK OF TEA」は英語のみならず、フランス語、イタリア語、ドイツ語にも翻訳され出版されている。

▼西田親生の「茶道分析鳥瞰図」
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敢えて小さなデータとしてアップしています。
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  • posted by Chikao Nishida at 2023/5/30 12:00 am

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