▼藁苞(わらづと)に包まれている「田舎納豆」

新年を迎え、杵つきの餅をこんがりふっくらと焼く。焼き立ての餅を掌にのせ、軽く叩き、餅の左右をつまみ、ダヨーンおじさんのように引き伸ばす。そこへ、発酵食品の代表格である「田舎納豆」をのせ、餃子のように包み込む。これが、熊本県北部の餅の食し方である。
雑煮にも餅が入っており、それを小皿に移し、「田舎納豆」を柔らかな餅と共に食すのも、昔の食し方だった。高齢者が餅を喉に詰まらせぬような工夫をしていたのだろうと。佐賀県ではつき立て餅を呑む風習があり、毎年窒息死する人がいたので、そう結論づけていた。
ただ、これは飽くまでも個人的見解であるが、ネバネバした、鼻を摘みたくなるほど臭い「田舎納豆」を食すと、一切風邪を引かなかったように思えてならない。現在でも、喉奥に違和感がある時に「田舎納豆」を食せば、喉奥がネバネバに包まれて、喉のモヤモヤが収まってしまう。
更に、発酵食品である為に、胃腸の調子がすこぶる良くなる。万能薬のような説明になってしまったが、筆者にとっては、インフルエンザなどが流行する冬季には必要不可欠なものであった。先般、菊鹿町の知人が届けてくれた「田舎納豆」。実に有り難く、ようやく正月がやって来た。
外国の方々が「田舎納豆」を見ると、顔をくしゃくしゃにして嫌がる。ヨーロッパのウォッシュタイプの臭いチーズと余り変わらぬと思うが・・・。松茸の香も、「革靴の中の嫌な臭い!」と、残念ながら、高級食材である松茸への評価は低いように、食文化の違いが垣間見れる。
我々の健康維持のために働いてくれる発酵食品。食さぬよりも、食す方がよろしかろうと・・・。
※「田舎納豆」は藁苞(わらづと)に包まれ、田舎(熊本県山鹿市菊鹿町)のおばあちゃんが小さな店で販売している。
▼遠赤外線にてこんがり焼かれた餅と「田舎納豆」(右)

▼ダヨーンおじさんの中心に「田舎納豆」をのせたところ

▼「田舎納豆」を餅で包み込んだところ

◎ロゼッタストーン公式サイト(since 1995)
https://www.dandl.co.jp/

Comments