
写真群は、一ツ目神社(ひとつめじんじゃ)の鳥居や本殿。山鹿市の震岳(ゆるきだけ/別名:山鹿富士/標高:416.3m)の裾野、一ツ目水源の手前にある小さな神社である。実は、昔々の話だが、この神社近くに、天然記念物のモウセンゴケ(食虫植物)が自生していると聞いていたので、それを見つけに散策したのだが、残念ながら確認することができなかった。
今日の本題は「古典的な山鹿弁」。
筆者は転勤族であったので、中学校1年生からは熊本県外に住んでいたが、ふと、小学校6年生までに祖父や祖母たちが話していた方言(古典的な山鹿弁)を思い出したのだった。
山鹿弁と言っても、熊本市内の熊本弁にほぼ近い。よって、以下の山鹿弁のサンプルは、熊本人であれば大抵理解ができるものだろうと・・・。
先ず、「あばかん」という言葉は分かるだろうか?何とも言えぬ表現だが、標準語では「多い、大勢」という意味となる。更に、「あば」はどうだろう。ダンシングクイーンの「ABBA」ではないことくらい直ぐ分かるが、それが「新しい」という意味だと知る人も少なくなって来た。
では、「ぜいたん」はどうだろう。何と「下水」のことである。「さしより」はどうだろうか。これまた、標準語と思っている熊本人が多いのが面白いけれども、意味は「とりあえず」ということになる。・・・生粋の熊本弁である。
食事処で食事を終えて割り勘の時に、「さんにょしてはいよ!」と言うことがある。「さんにょ」とは計算なので、「計算してください!」という意味になる。
また思い出したのだが、明治生まれの爺様の言葉が面白かった。リーガルのスニーカーを見て、「その地下足袋はあばだろ?」と言う。明治時代には、スニーカーという物がない訳で、見た目に「地下足袋」という名称を用い、「そのスニーカーは新しいんだろ?」と言ったに違いない。
こんな言葉に笑ったこともある。新しいベルトを見た老人が、「おお、よか帯革なあ!」と。ベルトという英語ではなく、「革でできた帯=帯革」・・・よって、標準語訳は「おお、素敵なベルトだね!」となる。他にも、「てんげ」、「てぬき」など意表をつくような物の呼び方もある。前者は何と「手ぬぐい」で、後者は「手袋」となる。
ある日のこと、同じく明治生まれのおばあちゃんが独り言を呟いていた。「かぜんさよさよとふいてかる、はっぱのひとつぽてちおちてかる・・・」と。標準語訳は、「風がそよそよと吹いて、葉っぱが1枚パサっと落ちてから・・・」となる。
書き綴れば切りがないので、そろそろエンディングとするが・・・
最後に、「うしたる」とはどういう意味なのだろうか?これはお風呂であればオーバーフローというイメージを浮かべていただければ分かり易い。「ふろんゆのうしたりよったい!」=「お風呂の湯が溢れ出しているよ!」となる。他、「みそしるのうしらんごてはこばんといかんばい!」=「味噌汁が(器から)溢れないように運ばないといけませんよ!」となる。
方言は、「言霊」。とにかく、方言は面白い。熊本人が熊本弁を聞いても笑えるように・・・。
長々と下らぬ話を聴いていただき、「ちょうじょうよ!」。(※敢えて訳さぬことに)







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