
写真の整理をしていると、数百年ぶりに熊本を襲った大地震(2016年4月14日、16日)前の、同年1月13日に撮影した十八間櫓付近の写真が出て来た。
現在、熊本城は各所で復興工事が進められているが、十八間櫓は石垣部分が少しずつ積み重ねられているものの、以前の櫓部分は何もない状態である。
写真群の撮影から2年近くも経った訳だが、地震後すぐに目に入って来たのが、熊本大神宮の押しつぶされた社務所と崩れ落ちたこの十八間櫓であった。
筆者も水なし、ガスなしの日々に押しつぶされそうになったけれども、多くの方々の支援物資により、命を永らえることができた。しかし、そのショックよりも、十八間櫓付近にゴロゴロと崩れ去った石垣や櫓の瓦礫など、目を疑うような光景がよりショックであった。
特に、写真下は熊本地震のちょうど3ヶ月前に、十八間櫓の石垣に跨って反り具合を写しているものだが、万が一、大地震の瞬間にその場に居たとしたら、即死の状態であったろうと・・・考えてみるだけでも戦慄が走る。
3ヶ月間もズレがあるから良さそうだが、それが数秒のズレだったとしたら・・・いや、考えるだけでも鳥肌が立つ。写真上の左下に二人の人たちが歩いているのが見える。十八間櫓の高さが実感できるのではなかろうか。それが、総崩れしたのである。
2年前は、毎日のように熊本城内を散策し、石段を登りながら汗をかきかき撮影していた。今ではほんの一部しか取材ができないのが、実に残念無念。最近、大地震を古傷のように感じるようになったので、ある程度、平穏無事なる時が戻ったように思えるものの、早く城郭全体を歩き回りたいと・・・。
▼十八間櫓の石垣を跨ぎ、反りを撮る様子。

▼上の状態で撮影したもの

▼熊本大神宮の潰された社務所(後ろが社務所、手前が本殿)

▼崩壊した十八間櫓と監視員

▼二の丸公園より大天守方面を撮影している様子(右手の櫓は戌亥櫓)

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