
久しぶりに、半高山(熊本県玉東町)へ足を運んだ。さっそくカメラを取り出し歩き出すと、山頂へ繋がる道沿いの蜜柑畑に軽トラが1台。その左側で間引きをしているご老人と目が合った。
挨拶をしながら近づくと、汗まみれの上村萬壽夫さん(84歳)は、脚立に乗ったまま間引きの手を休め、笑顔で色んな話をしてくれた。某企業で36年勤務し、ある事がきっかけで、会社を辞め、蜜柑5種、桃、柿などを栽培する生産農業に転じたと言う。
炎天下での作業は高齢者には辛そうに見えるが、ご本人は何のその。脚立から降りて、何やら隣の小さな畑に育ったナスビやキュウリをもぎ取り、手渡してくれた。貰ってばかりでは悪いので、常に車のクーラーに入れているキンキンに冷えたウィルキンソンの炭酸水を手渡した。
立ち話をしていると、上村さんは圃場の横にどっかりと座り込み、そのウィルキンソンを両手で持って、有り難そうにグビグビと飲み始めたのだった。「こら、旨か!旨かですよ!」と、とても喜んで飲んでくれた。相当、汗が出ていたので、良いタイミングでの水分補給になったのだろうか。
互いに、名刺交換をして戻ることにしたが、「ここは眺めん良かっですよ。晴れた日には、あっちに阿蘇山の中岳の噴煙も見ゆっとですよ。また、来なはっと良かですばい。冷たかつばもろて、ほなこて旨か!」と満面の笑みだった。


▼開通したばかりの西回りバイパス遠景

▼周辺の蜜柑畑

▼取材風景

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