
水前寺成趣園は、以前は修学旅行の定番中の定番であった。しかし、最近は国内観光客が激減し、国外からの観光客の方が多くなっているようだ。熊本市内に足を運び、この東海道五十三次を模した名園に立ち寄らぬのは、実に、勿体無いことである。
本日はにわかに寒空となり、午後2時半頃からの取材だったが、顔が冷たくなってしまうほど、風も強かった。羽を休める鳥たちの数も、以前立ち寄った時と比べれば、雲泥の差。人懐こい鳩や鴨、そして我が庭のように歩き回っている数匹の野良猫だけが、この寒空の下、元気であった。鯉たちは炎天下の夏場よりも、気持ち良く泳いでいるようで、観光客が橋の欄干から落ちるような勢いでワイワイ言って覗き込んでいた。
同園の順路は、先ずは正面に東海道五十三次を模した美しい対岸の景色を愛で、それから鴨たちと戯れ、石橋を渡り、出水神社を過ぎて、時計回りに進むようになっている。手入れが行き届いた庭を歩いていると、しばらくして、能楽堂が目の前に・・・。更に、ぐるりと回ると、スタート地点の右側にあった古今伝授の間にてお茶を頂き、再び、メインとなる対岸の景色を愛でるということになる。
久しぶりに足を運び、感じたこと・・・。それは入り口の両サイドにある土産物店が旧態依然としており、客が少ないと見たのか、午後4時半頃に店仕舞いするところもあった。「これじゃ、閑古鳥も鳴くわけだ!」と独り言を呟いてしまった次第。余りにも殿様商売の感じを受けるだけで、通り過ぎる観光客への笑顔が少なすぎる。バブリーな昔はそれで良いのかも知れない。しかしながら、サービスの原点を無視した昔ながらの遣り方では、今は通用しないことを知る必要があるようだ。
観光立県を掲げている熊本県。サービスの基本の基本を学ぶ前に、観光客を受け入れるスマイルサービスの在り方を、しっかりと認識することから始めなければ、競争の激しいこの時代に、置いてきぼりになりそうな気配。・・・実に残念なことである。



▼出水神社



▼古今伝授の間 遠景


▼古今伝授の間



【ディー・アンド・エルリサーチ株式会社公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/dandl/

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