仕事柄・・・筆者が撮影する被写体に多いのは「人物」かも知れないと、ふと思った。数としては、圧倒的に料理写真が多いけれども、撮影する被写体としては「人物」を好む。
特に、職人の仕事の流れをチェイスしながら、全体の動きの瞬間、目線の刺さる角度、その「人物」の一瞬間の心の動きが捉えられれば、申し分ない。しかしながら、「言うは易し、行うは難し。」で、なかなか納得の行くような写真は切り撮れない。
今回ご紹介するのは、つい最近撮影した、熊本ホテルキャッスル1階ダイニングキッチン九曜杏の若手シェフのワンカット。全くレンズを意識していないのが良い。自然体だ。撮影場所は、分厚い耐熱ガラスで仕切られているので、筆者が立っている側の照明が反射して、結構リフレクションが邪魔な環境でもある。
そこで、覗き込むように撮影していると、たぶん、写される方は威圧感や嫌悪感を持つはずだ。ガラスの仕切りがなければ、あらゆる角度から撮影可能なのだが、また、その日の天候や時間帯で、厨房内の明るさや環境光の色が変わるので、逆に面白い。
しかし、職人を撮るには、やはりモノクロームの世界をこよなく愛する筆者がいる。カラーは、見たままであるけれども、モノクロームは見る側に「想像」という宿題を与えてくれるので、人それぞれの想像力に刺激を与え、じっくりと見てしまう。筆者も、他のフォトグラファーのモノクローム作品を見ていると、すっと吸い込まれてしまうほど、魅力を感じる。
この写真は、アマチュアハイエンド機と言われる「NIKON D800」を使用し、レンズは明るいf1.4のSIGMA50mmの標準レンズを装着しての撮影であった。この頃、35mmと50mmのどちらか迷いに迷っている中での撮影だ。35mmは狭い室内でも、逆に広々とした風景でも、使い方では面白い画角が撮れるが、この50mmは、下手な筆者の腕からすると、使い切っていない感がある。
写真は奥が深い。毎回、同じものは撮れず、自分のイメージ通りに撮れるのは、数百枚に1枚程度だろうと・・・。
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