
クリスマスイヴという実感も無く、いつもの通り、熊本ホテルキャッスルへ足を運んだ。午後5時前だったが、ランチのタイミングを逸してしまい、相当腹の虫が鳴いていた。
同ホテルのロビーは、まだ静かである。1階にあるダイニングキッチン九曜杏の方へ向かって進むと、右手にはクリスマスケーキを受け取りに、次から次へと客がサブの玄関から出入りしているのだった。
山積みのケーキの箱を横目に、更にレストランの奥カウンターへ移動した。全テーブルには、クリスマスイヴ・ディナーの予約なのか、セッティング完了のテーブルがずらりと並んでおり、時間は早いが、既に筆者の左後方のテーブルでは、イタリアからの客と共に、日本人家族の宴会が始まりつつあった。
結局、腹の虫は収まる気配も無く、グーグルグーグルの状態。昼抜き、そして夕食前だった為に、頭がボーッとしている。よって、がっつりと肉を食したいと思い、黒毛和牛のフィレステーキを頼んだのだった。
丁寧に焼き上げられたフィレステーキを食しながら、厨房の中を覗くと、シェフ達の顔色がいつもと違う。・・・大勢の客のディナーの準備なのか、休むこともなく、ただひたすら無言で仕事に傾注しているのだった。話によると、クリスマス・ディナーの為に、全シェフたちは二日間缶詰状態だと言う。
食べる客は、ただ待っているだけで、ワインで乾杯、アミューズを楽しみ、次第にメインに近づけば、ほろ酔い気分でワイワイ呑んで気楽なもんだが、ランダムにオーダーが飛び交う厨房の中は、まさしく戦争最前線といった様相を呈していたのであった。
これは現場に居なければ、その辛さが如何様なものなのか分かるはずがない。しかし、職人の世界は常に真剣勝負。ルーチンワークもあろうけれども、この時期は予期もせぬようなオーダーが必ず飛んでくる・・・。
いつも美味しい料理をサーブしてくれる同レストランではあるが、食に関する業務は並大抵では無いと、再認識した次第。・・・これがプロの世界なのだろうと・・・黙々とシャッターを切っていった。
▼臨戦態勢のシェフたち

▼黒毛和牛フィレステーキ

▼蟹の洋風茶碗蒸し

▼工藤セカンドシェフ

▼さあ、料理のサーブだ。

※撮影は、NIKON Df+NIKKOR 35mm(昭和30年代に開発されたレトロレンズ)
【ロゼッタストーン公式サイト】 http://www.dandl.co.jp/

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