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感動と感激の瞬間を忘れない・・・NHK衛星放送の3D CG制作秘話

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 現在、お陰様で、筆者主催「Well Done」のZOOMセミナーやオフ会にて、若い人たちとの接点があり、彼らの感動、感激の様子を伺うと、これまでの仕事や趣味の領域にて、体感してきた感動、感激を思い出す。

 年齢を重ねて思うことは、同級生や幼友達との昔を振り返る時に、感受性が鈍っているのか、当時の感動や感激を共有できない人もじわじわと増えてくる。「いい歳して、今更。」と、当時の感動や感激を過去のものとして捨ててしまうような言葉を吐く人もいる。

 筆者は、新聞社時代の感動や感激は数限りなくあるものの、若くして起業して現在に至るまでの感動や感激は、それとは比較にならぬほど、常に体を張って危機感との隣り合わせに闘ってきた仕事であるが故に、天を突き破るほど高い位置にある。

 一つだけ例を挙げるとなれば、1996年の年末、NHK衛星放送の番組タイトルを供給した3D CG(コンピュータグラフィックス)が、全国に向けて放映された時のこと・・・。

 制作に入ったのが同年11月上旬だったと記憶する。衛星放送の放映期日が年末だったが、納品までの日数は1ヶ月余り。切羽詰まった状態にて、全員が一丸となって、その3D CG制作に傾注していた。

 12月10日頃にレンダリングが終了。それをSONYデジタルβカムテームに記録して、NHK衛星放送番組担当者へ郵送したのである。音入れの編集も必要なので、ギリギリ納品となった。

 オフィス2階にあるSiliconGraphicsの3D CG専用マシンが2基、24時間稼働にて、その制作に対応していた。万が一、マシントラブルでもあれば、納品に間に合わないので、全員がピリピリの毎日だった。

 納品から2週間ほどが経ち、いよいよ番組放映の時間がやってきた。NHKやNHK衛星放送、熊本県内民放や福岡県内民放が全て見れる環境を作っていたが、NHK衛星放送のモニター画面のみをONにして待つことに。

 番組名は「熊本県民文化祭 」である。阿蘇五岳が画面中央に聳え立ち、その背後から、立体的な黄金色の文字が上空に回転しながら飛び出し、阿蘇五岳を飛び越えて、正面で静止、それからキラリと輝き、フェードアウトして番組が始まった。

 NHKやNHK衛星放送の番組タイトルは、民放のそれより尺が三倍ほど長いので、制作に時間が掛かったのは否めないが、その完成された番組タイトルCGが衛星放送で放映される瞬間は、筆者も含めて、皆、鳥肌が立った。

 オープニング3D CGが飛び出した瞬間に、歓声が上がった。拍手をしているスタッフもいれば、テーブルを叩くスタッフもいる。感激と感動で、涙ぐむスタッフもいる。これが、当社最初の本格的な3D CG作品だったので、体全体が震えるほどに嬉しかった。

 今思えば遠い昔話のように感じるが、筆舌に尽くし難いほどの感動と感激は死んでも忘れることはない。それが起爆剤となって、現在まで病気もせず頑張って来れたのだろうと、当時、当社を指名してくれたNHK衛星放送のディレクターに、心から感謝する次第である。

 いつまでも、この感動と感激は忘れることのない、お金では買えない宝物として、心の奥に大切に仕舞っているのである。

 つい先ほど、NHK+の「新・プロジェクトX」にてバスケットボールの歴史を辿るドキュメンターリーが放送されたが、やはり、人生における感動と感激は素晴らしいものだと、気づけば、目頭が熱くなってしまった。

▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、筆者が過去に経験した感動と感激を振り返り、その重要性を再確認する内容です。筆者の経験談を通じて、人生の中で感じる感動と感激がどれほど重要かが伝わってきます。以下に感想を述べます。

感想
感受性の大切さ

筆者は若い世代との交流を通じて、自身の過去の感動と感激を思い出すことができたと述べています。若い人たちの感動を目の当たりにすることで、自分自身の感受性を再認識するプロセスが描かれています。これにより、感受性を保つことの重要性が強調されています。

年齢と感動
年齢を重ねることで感受性が鈍るという指摘は、多くの人が共感できる部分です。「いい歳して、今更。」という言葉に象徴されるように、大人になると過去の感動を忘れがちです。しかし、筆者はその感動を大切にする姿勢を持ち続けている点が印象的です。

具体的なエピソード
1996年のNHK衛星放送の番組タイトルの3D CG制作のエピソードは、詳細な描写と共に筆者の感動と感激が伝わってきます。特に、制作過程の困難さや緊張感、そして完成品が放映された瞬間の喜びがリアルに描かれており、読者もその場にいるかのような臨場感を感じられます。このエピソードを通じて、チーム全員が一丸となって努力することの重要性と、それがもたらす感動がよく伝わります。

感動の持続
筆者が述べているように、その感動と感激は今でも宝物のように心に大切にしまわれています。この感動が、筆者の人生の原動力となり、現在までの成功や健康の支えになっているという点が感慨深いです。感動と感激が人をどれほど強く支えるかがよくわかります。

現在の感動
NHK+の「新・プロジェクトX」にてバスケットボールの歴史を辿るドキュメンタリーを見て感動したことも述べられています。このエピソードは、過去の感動だけでなく、現在も感動を感じることができる筆者の感受性の豊かさを示しています。

総評
このエッセイは、感動と感激の重要性を再認識させてくれるものであり、筆者の具体的な経験談を通じて、その感動がどれほど人生にとって大切なものかが伝わってきます。過去の感動を大切にし、それを現在の原動力にする姿勢は、多くの人にとって共感できる内容です。筆者の感動と感激を忘れない姿勢が、多くの読者に感銘を与えることでしょう。
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プロンプト・文責:西田親生


                 

  • posted by Chikao Nishida at 2024/7/23 12:00 am

20年前にチブサン古墳をCG化!!

▼山鹿市役所 市長室で「チブサン古墳シミュレーション動画」を寄贈する場面(左が、当時の中原淳市長)
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 写真を整理をしていたら、20年以上も前の写真が数枚出て来た。その中で、凄く思い出深いものがあったので、是非紹介したい。

 当社(D&L社)が、当時、CG専用マシンであるシリコングラフィックス(1基3200万円/ソフト720万円)を導入し、熊本県で初の装飾古墳「チブサン古墳の再現」を動画として創り出したのだった。手前味噌だが、当時としては本格的なCG動画は大変珍しく、勿論、熊本県では初の画期的なものであったと自負する次第。

 筆者が最初に眼を付けたのは、古代建造物などの再現及び復元である。熊本県には、全国に存在する装飾古墳の内、4割近くが点在する。装飾古墳のメッカでもあり、中でも、珍しい装飾で知られる「チブサン古墳」の姿は幼い頃から気になって、気になって仕方がなかった。

 先ずは現地へ足を運び、取材許可を得て、実際に羨道を通り、玄室へと進んだ。しかし、そこは保管(湿度及び温度管理)の為に、分厚いガラスで仕切られ、やっと石棺が見れた程度だった。当時はデジカメなどなかったので、フィルムカメラを用い、ノーフラッシュで撮影した写真を、CG用のテクスチャーに使用した。現在のデジカメだったら、暗がりでの撮影はおてのものだが・・・現像を頼んで出来上がりを見ないと何とも言えない状態だ。

 そこで、現像した写真のネガをスキャナで読み込む必要があるが、これも色々と難航した。1200年前の石棺に描かれた絵柄を、如何にリアルに表現するか。又、盗掘されたのだろうか・・・石棺正面の一部の石板が紛失しているので、その手掛かりとなる物があるか否かも調査したが、結局はその当時の絵柄を突き止める事はできなかった。

 ようやく出来上がった1分少々のシミュレーション動画。・・・今ならば、大したレンダリング時間などは気にもならないが、当時は、1枚のCGをレンダリングするのに、数千万円のマシンを使用しても、20分以上掛かったのだ。仮に、1秒(30コマ)の動画を創るとしても、モデリングやマッピングの作業を別として、そのレンダリングには・・・何と、20分×30=10時間以上を要するのだ。

 気が遠くなるほどのレンダリング、そして、放送局用(業務用)デジタルビデオに落とし込む時間も必要となる。・・・取材、モデリング、テクスチャーマッピング、アニメーションプログラム、レンダリング、βカム落とし込みと、二ヶ月ほど掛けてやっと完成した。

 そこで、当社としては是非山鹿市の観光情報の一助となればと思い、「チブサン古墳CGシミュレーション動画」を、山鹿市へ寄贈する事にしたのだった。当時の中原淳市長も大変喜んで頂き、その動画を、同市役所のロビーと私立博物館にて定期的に放映する事になった。

 テレビ局や新聞社などマスコミも、大々的に取り上げて頂き、微力ではあるが、山鹿出身の筆者としては、一つ故郷にお返しをできたかと安堵した事を思い出す。本来ならば、大スポンサーが付けば、もっとディテール及び学術的なシミュレーション動画が制作できたであろうけれども、筆者なりのささやかなプレゼントのCGを見て、マルチメディアの世界に飛び込んだ子供も居るんじゃなかろうかと、勝手に想像したものだ。

 CG制作は凄く大変辛い仕事だが、素晴らしいバーチャルワールドを創り出すもの。・・・また、機会があれば、このような歴史的に貴重な遺産など建造物、仏像などの再現、復元ができればと・・・まだまだ、その夢を捨てきれない筆者が居るのである。

 末筆ながら、当時の制作者は寝食忘れてこの動画制作に傾注した。本当に苦労を掛けたけれども、当社23年半の歴史における業務実績の中で、ナンバーワン、最高の逸品であり、感謝の気持ちを忘れたことはない。


▼1996年に当社が立ち上げた「チブサン古墳」のWEB SITE
chibusan



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【チブサン古墳当社サイト】 http://www.dandl.co.jp/gold/chibusan/Link

           


  • posted by Chikao Nishida at 2014/8/17 02:11 am

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