
「今日こそは」と思い立ち、熊本県山鹿市菊鹿町矢谷(番所)へ足を運んだ。しかし、訪れるにはまだ時期が早過ぎたようで、彼岸花はぽつりぽつりと咲いてはいたものの、群生する光景を撮影することはできなかった。
それにしても、暑い。ここ数年の異常な暑さは、生態系さえ変えてしまうほどである。水路には冷たい水が流れているものの、カエルの姿はまったく見られず、蛇も顔を出さない。これから寒さが増すと、今度は猪が出没する可能性があるのかもしれない。
花が乏しいためか、いつもなら見かけるヒョウモンチョウやアゲハチョウの姿もほとんどなかった。こうした異常気象の影響は、この静かな山間にも及んでおり、目に見えぬところで着実に自然破壊が進んでいるのだろう。
ふと耳を澄ますと、棚田周辺で雑草を刈る音が遠くから聞こえてきた。きっと、訪れる観光客が彼岸花を楽しむ際に、足元に雑草が絡まぬよう手入れをしてくださっているのだろう。
この「番所」は、県内でも彼岸花と棚田の名所として知られている。しかし、観光客にとっての絶景も、集落に住む人々にとっては迷惑となることもある。駐車場が整備されているわけでもなく、生活道路は狭い。だからこそ、この地を訪れる際には、静かに遠目から眺め、その美しさを心に刻むことこそが最良の楽しみ方なのだと考える次第である。





▼Apple Mapsより



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