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お米さえあれば、何とか・・・。

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 終戦となり、満州から引き上げてきた母の事を思い出した。

 その明言に・・・「お米さえあれば、何とか生きて行ける。」があった。・・・最初聞いたときは、何を言い出すんだろうと思っていたが、先般、真向かいに住んでいる90歳のおばあちゃんの言葉で、その意味が良く理解出来たのだった。

 おばあちゃん曰く、「あなたのお母様から、随分お世話になったんですよ。ご存じかどうか知りませんが、内の孫達二人、幼い頃に何年も毎日のように、お母様から大きなお握りを頂いていたんです。もう二人とも家庭を持つ大人になりましたが、お母様のおにぎりで育てて頂いたんですよ。私の息子も嫁も仕事があって、なかなか子供の世話もできない状態だったので、本当に助かりました。本当に感謝しています。今も生きていらっしゃれば、いつもニコニコ笑ってらして・・・。」と。

 なるほど、筆者は別棟に住んでいたので、母が何をしていたのか全く気づきもしなかったが、大きなお握りを毎日幼子達に手渡していたことを聞いて、「お米さえあれば・・・」の、母なりの明言が理解できた。

 母は、満州に居た頃は、相当裕福な家庭に育っていたようで、終戦を迎え、着の身着のまま、乾燥トウモロコシの袋だけを持ち、家族全員で逃げるように戻ってきた話を聞いたことがあった。その時、一緒に逃げ戻る周囲の人達が、バタバタと倒れ、屍になって行ったと。・・・その時、死ぬか生きるかの瀬戸際にあって、初めて食べ物の有り難さが母の頭をかすめたのだろうと。

 18年半前に急死した母の事を久し振りに思い出しながら、今夜は、粗末ではあるが、母がよく作っていた「高菜炒飯」を作ってみた。余りご飯を炒めすぎると不味くなるので、具材をじっくりと炒めた後に、ご飯を混ぜる程度で留めた。・・・大変、美味しく頂いた次第。

 「お米さえあれば、何とか生きて行ける。」・・・なるほど。


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  • posted by Chikao Nishida at 2014/4/19 12:00 am

庭の金柑で甘露煮づくり

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 一軒家の自宅を建てて28年。当時、小さな裏庭に植えた金柑が大きく育った。・・・日頃から世話を出来ずにいるのに、勝手に沢山の実を付けてくれる。今年も気づいた時は少々遅めではあったが、手に触れてみると、粒は様々だが、甘露煮にすれば良い程度の粒が百個以上は採れそうだ。

 ・・・と思いつつ、なかなか実を摘む事も忘れそうになっていた矢先・・・金柑近くの土中に埋設されている水道管が破裂したのだった。・・・噴水のように吹き出る大量の水。毎月毎月、どんどんと水道料金が上がると不思議に思っていて・・・やっと、その原因が分かったのだった。早々に、深夜の水道管工事が無事終了。

 翌日、明るい内にと・・・水道工事箇所の再点検を行った。点検をしているつもりだが、やけに背後の金柑が気になる。・・・昨年も甘露煮にしたような記憶があったが、今年も遣るかと思い立ち、さっさと手頃な大きさと張り具合を見定めながら、数十個の金柑の実を摘んでいった。

 丹念に水洗いをして、鍋に金柑の実と水を張り、煮沸する前まで弱火でコトコトと煮込んでいった。そして、また冷まし、また煮込むを3回ほど繰り返し、仕上げは砂糖を加え、同じようにじっくりと時間を掛けて何度も煮込んでいった。

 時間的には4〜5時間は掛かっただろうか。・・・昨年の甘露煮よりずっと甘露煮らしい色艶が出て、部屋中が金柑の香りに包まれていったのである。・・・金柑と言えば、幼い頃から「金柑塗って、また、塗って♪」というコマーシャルソングが忘れられないが、やはり柑橘系は人間にとって、凄く役立つ物だろうと、その頃から、筆者の心の中では金柑の存在が訳もなく大きかったのである。

 さて、最後の煮込みである。・・・程良い色艶の甘露煮の完成!!!・・・途中で摘み食い5個、更に、出来上がって直ぐに5個、そして、寝る前に5個・・・計15個を頬張った事になる。・・・勿論、昨年他界した父へは、法務に携わっていたので、金の桐紋付きの朱盃に一つ供えて置いた。

 年度末多忙という割には、すこぶる暇そうな筆者であるが・・・それは、心の浄化の為に金柑の甘露煮に集中して、雑念を取り去りたかったのである。・・・仕事は筆者にとっては、人生そのものでもあるが、勿論、趣味でもある。しかし、そこに身も心も刺さりすぎると、生活のリズムが大きく歪んでくる場合も多々ある。そこで、この金柑の甘露煮づくり。・・・金柑の香りに包まれ、何となく心身ともに随分と軽くなった。


▼色艶の良い仕上がりとなった
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▼父に供えた一粒の金柑
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  • posted by Chikao Nishida at 2014/4/2 03:52 am

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