或る日の夕刻、いつもの高台へ行き、夕景の具合を見ていた。しかし、PM2.5や黄砂やらで、全く絵にならない。そこで、車を移動し、車中で、その日に撮ってきた写真をノートパソコンに入れて、オフィスに戻ったのである。
ところが、着替えも済まない内に、ドアフォンが二度ほど鳴った。宅配便であれば、横の窓から受け取るので、その窓のところへ足を運んだ。見下ろすと、警察官が二人が立っていた。「あのお、不審者の通報があったので来たのですが、この車はお宅のですか?」と、初手から犯人扱いする警察官。
よく見ると、一人はまだ警察学校卒業間も無いほどの若手で、研修中のような雰囲気だ。「え?何ですか?不審者ですか?」と言うと、「ええ、この車が高台の所にあったので、住民の方から不審者の車ナンバーとして通報が有ったんですが・・・」と。
内心、すこぶる腹立たしくもあり、穏やかではかったが、少し構ってやることにした。「少々待って下さい。」と言って、それから直ぐに、筆者の名刺と履歴を二人分揃えて、宅配便用の窓から手渡した。
「あ、失礼しました。住民の方の名前は言えませんが、不審者だとの通報があったので来たのですが・・・。」と。「何が不審者ですか!?失敬な方がいらっしゃいますね。仕事柄、常にカメラは携行していますが、不審者となると洒落にもなりません。」と苦笑いしてしまった。
一人の警察官が、「誤解のないように、住民の方へ、今から説明に行ってきます。」と言って、パトカーは静かに走り去って行った。
相手のプライバシーは厳守するものの、筆者のプライバシーを曝け出して、それを、ご丁寧にも説明に行き、誤解を解くと言う。間抜けな茶番劇でもあるが、生まれて初めて不審者と言われたのだから、誤って通報した相手こそ謝罪すべきだと思ったが、過敏すぎる馬鹿騒ぎに再び苦笑い。
とんだ火の粉を被ってしまった。このように、神経質で被害妄想のような住民が住んでいると、大変迷惑でもある。普通に、普段通り、平穏無事に生活をしている人間を「不審者」と言うのだから、少々、精神的に問題がある人間ではなかろうかと、逆に怖くなる。
最後の留めとして警察へ電話をして、「誤解が解けたか否か!?」の確認をしたが、バツの悪そうな対応だったので、さっさと電話を切ることにした。初動捜査の不味さもあるが、状況判断も即座にできぬ警察官二人。更に、その言葉遣いの稚拙さに、唖然としたのだった。
それからと言うもの、その高台には時々行きはするものの、美しい夕景を撮る気持ちが完全に壊れてしまった。これら二人の警察官の対応の不味さは、下手すると懲罰ものだ。・・・熊本県警も落ちたものである。
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