
先日、取材ランチでダイニングキッチン九曜杏へ足を運んだ。午後1時半頃だったので、ランチタイムきっちりに来ていた客と入れ替わりとなり、タイミング良く、空気の入れ替えが済んだレストランホールで、ゆったりとした気分でランチを楽しめそうであった。
ガラス張りの厨房を覗き込むと、若手料理人が3人見える。一人の料理人が動き出した。パスタ麺を茹でながら、トッピング素材を調理開始。真面目で涼しげな顔をしている料理人である。基本通りの所作にて、テキパキとした手捌きだ。ゆえに、どんな盛り付けが来るか楽しみとなる。
最初にサラダがサーブされた。今回はパスタランチのハーフを注文しているので、パスタの量は半分だが、サラダがグレードアップされる。真っ白な皿に可愛く盛られたサラダ。気取りのない、素直なスタイルが印象的である。地味ではあるが、彩り鮮やかで見栄えも申し分ない。
次にメインのパスタである。アルデンテばっちりのパスタの上に、大きめのベーコンとキノコ、アスパラガス、それにガーリックチップが添えられている。何気に優しい印象のペペロンチーノ。料理人の生真面目さが、しっかりと滲み出る盛り付けとなっている。
ギャルソンに「若手料理人が作ったペペロンチーノが美味しかった」と伝えたところ、暫くして、その料理人が挨拶に来てくれた。日頃あまり話をする機会がないため、やや緊張気味の若手料理人。「今日のパスタは最高でしたよ!」と言うと、すこぶる喜んでくれた。
急に私が呼び付けたようで申し訳なかったが、美味しいものは、しっかりと料理人に伝えておきたい。時にはクレームもする、口喧しい常連客の一人であろうけれども、良いものは良い。心が伝わる料理には、感謝の言葉しかない。・・・その若手料理人の眼差しは、料理以上に優しかった。
聞くところによると、その若手料理人のお父様もシェフであったという。流石に、真面目気質のDNAを受け継いだ息子なのだろう。人にはそれぞれオーラというものがあるが、このように平身低頭で礼節を弁えた若手料理人は、今時珍しい。ゆえに、今後の伸び代がとてもとても楽しみとなった。
※パスタランチには、写真群以外にスープと珈琲が付く。


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