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言葉のチョイスと口癖・・・

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 何かに気づき、違和感を持った人が「これは、おかしいのでは?」と尋ねると、返って来た言葉が「あなたが見る限りでは、そのようですね!」と。「見る限りでは」という条件付きは、「おかしい」と気づいた人の反応を、その人の偏見であるかのように感じさせ、否定を伝えてしまいがち。また、「あの件は、これが原因ですね?」と問えば、「いやいや、これが原因というよりも」と王蟲返しの否定から入る人も少なくはない。

 前者では、是であれば「本当ですね。拡大して見ると、仰る通りかなり妙な具合です。」と返せば良いし、非であれば「いえ、ここを見てください。裏側もしっかり仕事してますよ!見る角度によって違いますよね!」と言えば良い。後者は、「いやいや、これが原因というよりも」の「いやいや」をチョイスせずに、「そうですね」から入れば、相手へ直感的に賛同の意を表することで、和やかな会話が続くことになる。

 時に、曖昧な言葉ばかりをチョイスする人がいる。「後々宣伝が行き届き、仕事の可能性もあろうかと。」とか、「今のところは出来ませんが、先々、可能性はないとは言えません。」、「二人の重役が解任になれば、二人分の給与が浮きますから、予算的には大丈夫かと。」などなど。全て、具体性、可能性に欠ける言葉をチョイスしており、何の根拠もなく、いつ、どのような形で具現化するかの「確約」とは程遠い言葉の掻き集めである。

 更に、断り文句として、誰かの存在を緩衝役に遣い、人を挟み込むことで、逃げ回る人もいる。本人は「饒舌極まりない名言だ!」と思い込んでいるが、とんでもない勘違い。「あ、この件は税理士さんに聞いてみます!」、「この件ですね。妻が良いと言えば約束します。」、「今ばたばたしているので、落ち着いたら連絡します!」、「ゴルフのスコアが100切ったら遣りますよ!」など、小っ恥ずかしいものばかり。

 尊敬・丁寧・謙譲の言葉遣いができない人の発言を聞いていると、妙に違和感を持たざるを得ないことがある。スポーツ選手の記者会見にて多いのは、「周囲で支えてくれた人たちのお陰」というものだ。「くれた」ではなく「頂いた」が正解であるが、いい大人が、友達感覚の言葉を公然と吐いている。ペア選手の会見では、「○○ちゃん」と普段から呼び合う名前を言うけれども、良く言えばアットホームで可愛らしいく、悪く言えばこれまた小っ恥ずかしい。

 時代時代の流行語や表現などを紐解けば、それぞれの時代の全景が見えてくる。勿論、新造語ありありで、楽しい言葉が飛び交っている。しかし、新造語は生まれては消え、また、消えては新たな言葉が生まれてくる。夏目漱石が新造語の天才的存在であるように、新造語は実に面白い。ただ、ボキャブラリが少ない人が、上っ面の新造語を並べ立てて喋ると、「バカ丸出し」となるので、そこは要注意となる訳だ。流行語はほどほどに、と言うことだろう。

 語りの中で、主語述語がバラバラで、何を言いたいのか意味不明な会話をする人も多い。加えて、整合性のない内容であれば、常にチンプンカンプンなトークとして、聞いているだけで無駄な時間ばかりが過ぎ去って行く。「ホウ・レン・ソウ」をしっかり出来ない人も同じように、意味不明なトークを続ける。「起承転結」、「三段論法」も知らぬ人が書き綴る文章は、文字ではなく「へのへのもへじ」のような絵であり、無味乾燥となる。

 思考深度が浅い人の言葉や文章は、枝葉末節ばかりが眼前に積み重なり、核心が全く見えなくなってしまう。よって、「一体全体、何を言いたいのか?」と大声出して聴きたくもなる。物事を主観で捉えて、感情的にバルカン砲の如く話す人ほど、その傾向は強い。興奮した自分そのものを、無数の弾丸にて打ち出せば、心が落ち着くのであろうが、聴く立場の人間にとっては、苦痛以外、何物でもない。

 筆者が、ここ数年体験した中で、極めてずる賢い人間の言葉が記憶に刻まれている。言葉のチョイスは、結構、難読難解なる四字熟語や諺を羅列し、部下に質問して回答を得た時に、必ずと言って良いほど、「そうなんですねえ。そう考えますか?へええ。その程度なんですか?」と言い放つ。絶対に正解を与えず、部下へ「精神不安定剤」を注入するばかりに専念し、真綿で首を締めるような「パワハラ対応」である。

 また、パーソナリティ症候群を引きずる人間の、大胆不敵な言葉のチョイスは、悪い意味で印象的であった。内容は「虚偽」ばかりだが、言葉のチョイスが上手い!?のか否か知らないが、上記の「パワハラ対応」と類似しており、言葉で相手の心を揺さぶったり、刺したりしている。特に、田舎の人たちは素朴な方々が多い為に、この「虚言」にまんまと騙される可能性が高い。そこに「枕営業」なんぞが潜んでいると、始末に負えなくなってくる。

 今回は、普段の会話から、ビジネストーク、公言などのサンプルテンコ盛りでご紹介したけれども、畢竟、「言葉のチョイス」には常に慎重であれと言うことだ。適時適切な言葉のチョイスは「訓練」しかない。心理学を愛する人たちは、「言葉の綾取りゲーム」を好むが、ビジネストークには遣わぬが世の為人の為であり、「欺罔」を前菜として情報を持ち込む人には、絶対に接しない事を、強くお伝えしたい。

 一番大切なことは、自分自身の「身の丈」をしっかりと把握し、常に「自然体」にて人と接し、駆け引きなくコミュニケーションを交わす癖をつけることである。絶対に「虚言」を放つものではない。何故なら、「虚言」は最終的には己の首を絞めることになり、信頼の失墜に繋がるからだ。

 末筆ながら、若手スタッフ(働き蜂さん)に物申しておきたいことは、以下の通り。

 「核心を突け!白黒ハッキリせよ!迎合するな!持論を展開せよ!そして、正しいルールは厳守せよ!」


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写真・文責:西田親生

         

  • posted by Chikao Nishida at 2021/8/20 12:00 am

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