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最高のものへの拘りを・・・

▼写真はイメージ(拘りの料理:細川/熊本ホテルキャッスル)

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 久しぶりに、古びたiPhoneを眺めていた。iPhoneを最初に手にしたのはSoftBankが発売した時だったが、それから、docomoも5年遅れで発売に踏み切った。今まで何種類のiPhoneを購入したか忘れてしまったが、少なくとも2社のiPhoneを5台か6台使ってきた。勿論、iPhoneはスティーブ・ジョブズの拘り抜いた「芸術品」の一つである。

 ここで、1984年まで遡り、初めてMacintoshを手にした時の事を振り返ってみることにする。当時、Macintoshは、徹底したヒューマンインターエフィスを格納し、世界のパソコンに多大なる影響を与えた。当時のお洒落で解りやすいマニュアルブックやフォントなど、比類なき規格外の「芸術品」であった。

 しかし、最高の物づくりへと突き進むジョブズの拘りは際限なく、逆に分厚いマニュアルブックを不要とした「芸術品」を作り出した。それが、iMacであり、iPhoneの前身となるiPodである。特に、iPodは、音楽をカセットテープで購入し、ウォークマンで楽しんでいた時代を、完全にひっくり返すことになる。

 音楽のメディアも、レコードからカセットテープ、そしてCD、MDへと移行したが、ジョブズの本物への拘りとイノベーションの速度に追いつけず、結局は、iTunesの登場にて、音楽業界もメディアも一変したのである。・・・不沈戦艦SONYの戦略が、にわかに弱体化していった。(ジョブズはSONYと組みたがっていたのだが・・・)

 Macintoshの影響を受けて、WINDOWSのOSも模倣に走る。ボタンだらけのガラケイもiPhoneのようなスマホに変身し、iPadを模倣した他社タブレットがわんさとパソコンショップに陳列されるようになった。しかし、どれを見ても、悲しいかな、ジョブズの模倣にしか過ぎない。

 「Think different」をキャッチフレーズに動き出したApple Inc.は、瞬く間に世界の巨大企業となり、姫林檎を齧ったロゴマークが、世界ブランドとして、エンドユーザーの心を轟々と音を立てて引っ張っていく。常にシンプルでコンシューマー満足度を見据えて開発に臨んだジョブズの大偉業である。

 筆者も、プロとしての仕事に就いてはいるものの、「最高のものへの拘り」が微塵でもあるか否かを自問自答してみると、情けないやら、答えは「ノー」となる。それなりに「最高のものへの拘り」を持ってはいるが、まだまだ完成度が高いとは言えない。

 しかしながら、ジョブズの偉業を何度も何度も思い浮かべるだけでも、体全体が熱くなってくる。ボルテージがどんどんと上がってくる。妥協を許さぬ商品開発から、卓越したプレゼン能力、更に、ファションブランド商品を販売するようなアップルショップと・・・ジョブズの「完全主義」に圧倒されながらも、体の芯から勇気付けられる。

 末筆ながら、筆者がApple信仰者となったのは1984年だが、起業して心を強く揺さぶられたのは、1991年に出逢った恩田英樹氏(フォーカルポイント株式会社創始者)の存在である。それから既に28年が経った。3年半前の熊本地震の時に、同氏から逸早く「心配メール」が飛び込んできた。本当に有り難く、安堵したのだった。


▼写真はイメージ(拘りの料理:細川/熊本ホテルキャッスル)
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▼写真はイメージ(拘りの料理:細川/熊本ホテルキャッスル)
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文責:西田親生

                             

  • posted by Chikao Nishida at 2019/9/16 03:24 am

Macintoshの想い出・・・

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 今を遡る事、34年前・・・そう、1984年という年は・・・ガレージファクトリーからのし上がったスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの二人(ダブル・スティーブ)が、満を持して世に送り込んだMacintosh(可愛い短足のワンちゃんのイメージ)との出逢いの年だった。当時、私は新聞社に勤務しており、プロジェクト・プランナーとして、猪突猛進の勢いで企画事業の業務を捌いていた頃の話である。

 注文していたMacintosh到着の当日、わざわざ公休を取って、自宅マンション玄関とリビングルームの間を、今か今かとソワソワウロウロしながら待っていた。「ピンポ〜ン♪ピンポ〜ン♪」・・・飛びつくようにドアの覗き穴に眼球が貼り付くほどに覗き込む。そこに映った映像は、帽子をかぶった宅配便の人のようだ。ドアを開けると、真っ白で大きな立方体の箱がドドドッと入って来た。

 宅配便担当者の顔など全く見る事も無く、「大きな箱ですね!ありがとう御座いました。」と言いながら、失敬とは思いつつも私の視線はレーザービームのように箱に突き刺さっており、余所見をしながら確認印を押したような気がする。(確認になってない!)・・・何だかワンちゃんが、カサカサと音がする紙袋を必死に凝視しているような、あの状態である。

 箱の表面には、ブラシのタッチでさらっと描かれた鮮やか色のMac-intoshのイラスト、まるでピカソが描いたかのような、アーティスティックでビビッドな色合いのイラストであった。

 ドキドキしながら、その箱をそーっと開いて行った。ビニールをちぎるように破り、取り出した物がMacintosh(128K)であった。結構、どっしりと重かった。確か7キロほどあった。現在、オフィスの倉庫の何処かに、最初のMacintoshの他、Macintosh Plus、DynaMac(アップル社からは正式に認定されなかったような記憶がある)、Macintosh SE/30、Macintosh Classic、Macintosh Classic II、Macintosh Color Classicなど、数台が眠っているはずである。

 そそくさとキーボード、マウス、プリンタをケーブルで繋ぎ、スイッチを入れてみた。・・・「プ〜ン♪」という音とともに、小さな画面の中央にニッコリマークの可愛いアイコンが登場。英語で書かれた取説など目もくれず、いきなりMacPaintやMacDrawを使って遊び始めたのである。

 気付けば、窓の外は真っ暗となり、夕食も忘れた事に気付き、苦笑い。・・・3.5インチのフロッピーを取り出そうと、取り出しボタンを見つけるが・・・全く無い。自動的に飛び出るように設計されているようだが、万が一、フロッピーが詰まったままになったらどうしようかと悩んでしまった。(フロッピー装着口右の小さな穴が強引に取り出す為のものらしい)

 Macintoshは、当時も今も私にとっては、マイホームと車に次ぐ高額品である。実は、新車を買うか、車の替わりにMacintoshを買うのか、2〜3ヶ月悩んでいたのだが、手持ちのシャープMZ-5500やMZ-6500とお別れを決めた為に、車に替わりMacintoshがプライオリティ1となってしまった。

 その後、このMacintoshは、勤務していた新聞社の私のデスク上にさっそく設置され、それ以来、多くの企画書などの作成に活躍する事になる。また、サンダースキャンを使って写真などをコンピュータに読み込み、イベントの図面や予算書などもお茶の子さいさいと、立て続けにセミナーやイベントの企画書を作成して行った。

 しかし、問題が二つほど出て来た。・・・一つは、上司(部長)が「玩具を持ち込むな!新聞社は万年筆や鉛筆を使うんだよ!」といったクレームや嫌がらせが多発。二つ目は粗いドットプリンタなので、日本語を打ち出すと文字が大き過ぎて使えない。この2点が私の頭を悩ませたのであった。前者は当然無視する事で問題は解消。後者はプリントしたものを、縮小コピーをする事で解消した。(紙の無駄遣いだが)

 以上のように、1984年は私にとって忘れられない年となった。大袈裟に言えば、我が人生のベクトルを大きく変える年だったのかも知れない。

 十数年ぶりに倉庫の手前にちょこんと座っていたMacintosh Plusを引っ張り出してみた。やけに寂しげにしているようなので、オフィスのフロア中央に置いて記念写真を撮ることに・・・。生みの親の急死の知らせが伝わったのか、初めてデジタルカメラで撮影(当時デジカメは世に存在していなかった)されるにも関わらず、顔色が無いように感じられる。

 これから毎年、10月5日のジョブズの命日に、「プ〜ン♪」という音を奏でてMacスマイルを画面中央に出してくれれば良いのにと思った次第。・・・今日のMacintoshの画面は真っ暗だが、たぶんそこには透明サッドマックが居るような気がしてならない。

※サッドマック=泣き顔をしたアイコン(非常事態を知らせる時に出て来るアイコン)

 ペットのような生き物に見えてしまう、Macintosh。この小さな1台が巨人IBMに立ち向かい、パソコンの常識を変え、世界を席巻して行ったのである。1984年にスティーブ・ジョブズが放った言葉・・・「Think different!」・・・この意表を突くフレーズが全てを予言し、不可能を可能に塗り替えて行ったのかも知れないと・・・。


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  • posted by Chikao Nishida at 2018/7/13 01:29 am

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