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その小さな『感謝の言葉』が、大事。

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 時折、日頃から世話になっているダイニングキッチン九曜杏(熊本ホテルキャッスル)のスタッフに差し入れを持って行くことがある。

 大した物ではないが、何せ、人数が多いので、その時出勤している人を聞いては、或る程度数を揃えるものの、全てに行き渡ることはないので、恐縮している。

 ただ、その時、「フランスパン、とても美味しかったです。」、「でっかいレーズンパン一本は、子供たちが喜んで食べました。流石、ポンパドールですね。」と聞けば、差し入れをした者からすれば、とても嬉しくなる。

 差し入れをする者としては、恩着せがましいことは一切考えてはいないが、上述のように、小さな『感謝の言葉』を聞けば、その『人柄』なりが伝わってくるので、「また、持ってきてやるか!」と笑顔になってしまう。

<昔懐かしの画廊喫茶>

 前職である新聞社へ入社当時、『宝塚コーヒー』と言う画廊喫茶が、熊本市内上通アーケード街にあった。そこは、財界の重鎮が屯すという、異質な喫茶店だ。カウンター席と一部ボックスもあったが、その店をボウリング大好きの老夫婦が営んでいた。

 何度か足を運んでいると、奥様から「親生ちゃん、明日昼ごはん作るから、おいで!」と誘ってくれた。

 まだ若造だったので、昼食代を節約することが一つの課題であったものの、当時、ランチと喫茶で1000円が飛んでしまう。よって、月に昼食代25000円以上負担することは、薄給の筆者にとっては死活問題だった。

 数十年も昔の話なので、1日の昼代に1000円は結構厳しかったが、翌日、同店へ腹を空かして行くと、「ほら、焼きビーフン作ったよ。お代わりあるから、沢山食べてちょうだい!」と、大皿に山盛り出してくれた。

 その画廊喫茶には、軽食メニューは無かった。カウンターに座って談笑する財界の重鎮たち。筆者が黙々と食べていると、「西田君は、いいなあ。こんなに旨そうな焼きビーフン食べれるんだから!」と何度も冷やかされた。

 そこで、奥様が「あんたたちは重役だから給料高かろうけど、親生ちゃんは社会人になったばかりでしょ、沢山食べてもらって、新聞社で活躍してもらわんと!」と、重鎮たちを弄っていたことを思い出す。ただ、そこには筆者が勤務する新聞社重役の姿も数人あった。

 その老夫婦は二十年ほど前に他界されたと思うが、当時、週に何度か足を運ぶと、必ず、賄い食を筆者に食べさせてくれたのである。本格的な焼きビーフンや、時にはサンドイッチなど沢山ご馳走してくれた。

 今でも、店主や奥様の笑顔を昨日のように思い出す。しかし、この賄い食の有り難さを一度も忘れたことはない。自分の孫のように可愛がってくれた老夫婦に、心から感謝するばかりである。

 他界されたことは後々聞かされたが、若くして新聞社を辞め、独立したばかりで、戦争のような日々を送っていたために、同店に行くことがなくなったことを、すこぶる後悔している。この場をお借りして、お詫びしたい気持ちで一杯となる。

 因みに、同店は画廊喫茶なので、絵画や版画が壁中に飾ってある。記憶を紐解けば、絵画では野田健郎画伯のフランス留学時のデッサンや、著書『板極道』で知られる版画家 棟方志功の作品が印象深かった。

 今は無き画廊喫茶『宝塚コーヒー』。筆者にとっては、財界の重鎮たちの情報収集にすこぶる役立つところでもあった。

▼写真はイメージ
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写真・文責:西田親生

             

  • posted by Chikao Nishida at 2022/8/11 12:00 am

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