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山鹿豊前街道絵巻(壱)・・・有働自轉車

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 800年の歴史を誇る湯の町・山鹿市(熊本県)。江戸時代からこの地のメインストリートとして栄えた豊前街道が通っている。その菊池川寄りに『有働自轉車』という大きな看板が目に入ったので、訪ねてみることに。

 同店は、90年の歴史ある山鹿名物の自転車屋さんである。初めてお会いしたにも関わらず、ウェルカムの状態にて、お茶やお菓子をご馳走になり、山鹿市内やその周辺について話が尽きず、数時間お邪魔してしまった。

 今回は、『有働自轉車』連載の初回となるが、先ずは、店内の奥にとてもレアなる『ママチャリ』が見えたので、そのご紹介をしたい。

 写真下が、昭和の香り一杯のレアなる『ママチャリ』だ。左ハンドル側にベルがあり、小さな回転式のダイナモ(発電機)と豆電球が装着された前照灯が付いている。聞けば、60年くらい昔の『ママチャリ』だと言う。

 現代の自転車はピンキリだが、この当時の『ママチャリ』としては、ゴージャスなものであったに違いない。フレームに書かれたメーカー名を見ると、『Kawamura High Stainless Cycle』とある。

 聞き覚えがないので、Googleで調べてみると、『カワムラサイクル公式サイト』が抽出された。現在は、福祉に力を入れ、多種多様な車椅子の製造販売を行っているようである。しかし、同社が60年近く前に製造した『ママチャリ』が、この湯の町・山鹿の同店片隅に現役でいるのには驚いた。

 流石に『ものづくり日本』と言われるように、60年近く昔の『ママチャリ』のギラギラ光り輝く金属部分が何とも言えない。ベルは錆もなく、これまたギラギラと黒光り。ベルの手前レバーをスライドすると、チリン♪チリン♪と、可愛い音を奏でてくれた。

 この『ママチャリ』の周囲をぐるぐる回りながら眺めていると、何とも懐かしい自転車特有のダイナモが気になって堪らない。ダイナモは、手動で左斜めに倒し、自転車を走らせると、ダイナモ上部が回転し発電する仕掛けとなっており、発電された電気で前照灯の豆電球がフワッと灯るのである。

 ブレーキも、ハンドル両脇に太めの金棒が突き出ている。下り坂をこの『ママチャリ』で走りながらブレーキを掛けると、キ〜キ〜キ〜♪と鳥肌が立つような摩擦音が聞こえて来るに違いない。

 サドルは女性用なので横広く、その下には結構太めのバネが取り付けてあった。タイヤは流石に劣化気味にて、ひび割れが目立つが、中はチューブ式なので、平均的な体重の方であれば、安全に乗れそうだ。

 とてもレアなる『ママチャリ』を拝見させてもらい、すこぶる楽しかった。値段がいくらだったのか聞き忘れたが、当時の自転車はかなり高級高額であったと考えられる。勿論、現代の自転車でも100万円を超えるパーツ組み立て式のものもあるので、昔も良いお値段であったろうと。

 次回の『有働自轉車』第二弾は、年末の餅つきの様子を予定している。

▼有働自轉車(有働サイクル)
〒861-0501 熊本県山鹿市山鹿1777
TEL 0968-43-2417

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写真・文責:西田親生

                   

  • posted by Chikao Nishida at 2022/10/17 12:00 am

片田舎で製造された木村ピアノ(再掲載)

▼木村ピアノ(山鹿市立博物館所蔵)

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 昨夜、NHK BS プレミアムカフェ「ピアノと日本人」(2017年放送)が再放送された。確か、筆者も取材した記憶があったと思い、早速当社ニュースから検索したところ、2015年8月15日付けで「片田舎で製造された木村ピアノ」と題して、記事を書いていた。

 NHKさんの情報源は定かではないが、Googleで「木村ピアノ」で検索したところ、検索1ページ目に筆者の記事も抽出されたので、何となく、勝手ながら嬉しさが込み上げてきたのである。実は、山鹿市立博物館で当時の館長と立ち話の後に取材したものだった。

 ピアノと聞けば、ヤマハやカワイ、そして海外のスタンウェイなどを思い浮かべるが、当時、庶民には手が届かぬような高価なピアノが、この片田舎の熊本県山鹿市で製造されたことは、驚くばかりか、それが生まれ故郷となれば、嬉しさも倍増するのである。

 以下は、2015年8月15日付けの当社過去記事。ネット事業を1995年からスタートした当社(ディー・アンド・エルリサーチ株式会社)としては、今回の検索結果と、NHK BSにてドキュメンタリーとしてアーカイブが残っていることに、更に、嬉しさ倍増するばかり。

 何の気なしに記事にしたものが、これほどまでに価値があるのだから、生まれ故郷の田舎も捨てたもんじゃないと、独り言。因みに、木村兄弟が製造した「木村ピアノ」は十数台だが、山鹿市に残る「木村ピアノ」は、山鹿私立博物館に寄贈された、この1台のみとなる。

※スタンウェイの前身第一号ピアノ:1835年
(作者:ハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク)
※ヤマハ第一号ピアノ :1900年
※木村兄弟第一号ピアノ:1924年
※カワイ第一号ピアノ :1928年

▼2015年8月15日付けの過去記事(一部)

 帰り際に何気に置いてあった小さなピアノに目が行った。じろじろ見ていると、館長が説明に来てくれた。

 何と、1924年頃(大正時代末期)に、山鹿市の木工所職人だった木村兄弟が製作したピアノらしい。鍵盤も象牙製。軽く鍵盤を抑えた音が、とにかく透明感があり、こんなに立派で豪華なピアノを、山鹿の職人が作ったと聞けば、とても誇らしく思えてならない。

 当時は、国産アップライトピアノが650円、スタンウェイなどの輸入ピアノが1600円で(当時の公務員の初任給が60円の時代)、とても庶民の手が届くものではなかったようだ。

 館長から特別に取材許可を得て、鍵盤を叩いてみた。ちょろんとビートルズのヘイジュードの頭の部分だけ弾かせて貰ったが、手触り、鍵盤(象牙)の重みと戻り、奏でられる音色に驚いてしまった。失礼な話だが、片田舎の山鹿で製造されたピアノとは思えぬほど、完成度が高いことに、また、当時の兄弟職人の腕がとんでもないことに気付かされた。

 蛇足だが、私が自宅に持っている電子ピアノ(本格的な造りの結構なお値段のYAMAHAピアノ)でさえも、その生の音には敵わぬことがよく分かる。今回の取材では素敵な発見があり、すこぶる清々しい気持ちで帰途についた。

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  • posted by Chikao Nishida at 2022/4/28 12:00 am

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