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「社員を百人斬れば、黒字になる!」という怖い話。・・・使い捨てのような言葉に唖然。

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 或る人物から電話があった。経済界の重鎮である。長年、観光業に携わってきた人だが、ニューノーマル時代となり、ホテルや旅館、特に、大手ホテルの厳しさを語ってくれた。

 「いや、今のままだったら、昔ながらの大手ホテルは次から次へダメになりますよ。まあ、色々と銀行との交渉が鍵を握ってはいるものの、そこで、社員を百人斬ったら、そりゃ、黒字になる。でも、後が続かない。」と。

 開口一番に、『社員の百人斬り』という無慈悲な言葉が飛び出してきた。全国取材で利用させていただくホテルの社員数を振り返れば、二百五十人〜五百人程度が多かったように思えるが、そこで『社員の百人斬り』となれば、小さなシティホテルであればビジネスホテル化してしまう。

 数年前までの華々しいブライダルや大規模宴会などは鳴りを潜め、どこのシティーホテルを覗いても、閑古鳥が鳴いている。地球規模の伝染病によるものなので、仕方ないと言ってしまえばそれまでだが。

 しかし、安直に『社員の百人斬り』という言葉が出るところが、驚きでもあり、怖くなってしまう。勿論、過去において、大企業が工場閉鎖にて、数千人単位で職を失う人たちの姿を見たことはあるものの、不景気だからと言って、『社員の百人斬り』という考えは筆者の頭にはない。

 シティホテルでは、上層部は僅か数人の役員と十数人の管理職で構成されているが、その下に兵隊さんが二百人と仮定すると、その僅か数人の役員の机上のシミュレーションによって、無慈悲な『社員の百人斬り』が簡単に行われること自体、首を傾げてしまうのだ。

 以前、帝国ホテルのドキュメンタリータッチの報道があったけれども、社長自ら全社員へ『秘策』、『奇策』のアイデア募集を願い、社員から数千通のメールが届き、感無量となった社長の表情が今でも心に焼き付いている。

 そこで『社員の百人斬り』なんぞの低レベルな話ではなく、「なんとか打開策を皆で探し出し、全社員と共に、次のステップを踏み出そう!」と語る、人として素晴らしい英断をする同ホテル社長に惚れ惚れとした次第。

 流石に、1887年12月1日創業(135年の歴史)の帝国ホテルである。国内のホテルのホテルとして、食文化ばかりではく、ファッションやブライダル、そしてショッピングモール、ディナーショーなどのお手本となってきた『made in Japan』の同ホテル。筆者のホテルスタンダードのバイブル的存在となっている。

 そこで、カントリーサイドの人間が、『社員の百人斬り』を平気で口にするのだから、恥ずかしくて物が言えない。社員を虫ケラ同然に見下しているからこその発言かも知れないが、それは人として如何なものかと閉口するばかりであった。

 勿論、各地のシティホテルやリゾートホテルは大変な状況下にあることは理解できる。されど、外資系のホテルが次から次へと進出してくる中で、『made in Japan』をもっと大切にしたいという考えが、筆者の心にはある訳だ。

 カントリーサイドのホテル群では、地元の人間が大半を占め、支えているのだから、そこで『社員の百人斬り』はなかろうと。役員たちが給与を放棄してでも、ホテルを死守するくらいの意気込みは欲しいものだ。

 いやはや、『社員の百人斬り』という言葉は、とても信じ難くもあり、核爆弾実験のように、多くの人々を苦しめるように思えてならない。「隣のホテルが『社員の百人斬り』やってるから、こちらも遣ろうか!」程度の考えであれば、それはホテル経営者としては失格というレッテルを貼られてしまうに違いない。

 経営側の数字のシミュレーション(机上の空論)では、客足は遠のいてしまうばかり。常連客も一見客も姿を消してしまう。普通の規模のホテルであれば、『社員の百人斬り』を二度やれば、完全にビジネスホテルと化してしまう。今頃、部屋を毎日埋めても、全体総売上の何割を占めるのだろうか。焼け石に水のような物だ。

 それに比べ、前述の帝国ホテルの社長の英断は、全く次元の異なるところで思考を巡らしているところが、本当に素晴らしいし、その部下となる社員たちの信頼(絆)は、次の世代、更に次の世代へ受け継がれて行くはずだ。

 今から20年ほど前の話だが、帝国ホテル社長の故 吉村勲人氏(熊本市出身)を思い出したのである。社長就任の時に『ヒューマンウェア、ソフトウェア、ハードウェア』の三位一体論を語り、当時の帝国ホテルに勢いをつけた『策士』であった。

 諄いようだが、『社員の百人斬り』なんぞ、とんでもない話である。軽々に口に出してはならぬ、『禁句』でありはしないか。

▼東肥 赤酒(瑞鷹株式会社)
 故 吉村勲人氏の実家が瑞鷹株式会社(熊本市)
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写真・文責:西田親生

                     

  • posted by Chikao Nishida at 2022/10/30 12:00 am

ホテルや宿は、今こそ、「秘策」を講じるとき。

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 GoToトラベルやその他都道府県からの助成金や特典付きトラベルを期待したり、また、それらが急に中止され落胆したりを繰り返し、右往左往すべできときではない。

 時代は秒進分歩の勢いで変わりつつあるのだから、今こそ、従来の広報戦略について、ニューノーマルな時代を見据えて、全面見直しをすべきときであると考える。

 空前絶後のバブル時代を経験し、平成となり現在まで日本経済が低迷、疲弊している時こそ、災害で心が傷んでいる時こそ、智慧を絞り、「秘策」を実践に移さねばならない。

 昔のように黙って待っていても、エージェントを神頼みしても、旧態依然とした企業戦略のベクトルを完全に変えなければ、即刻、死活問題となる。

 現在、残念ながら廃業に追い込まれているところも多々あるが、近隣の宿泊施設の廃業は、人の不幸で申し訳ないけれども、チャンスとなる。しかし、近隣の宿泊施設買収での全国チェーンやフランチャイズの台頭は、地元施設の危機的状況を増幅させる。

 元々歴史あるホテルや宿であれば、ネット世界やリアル世界でも、その名はあちこちで露出しているが、一般的な宿泊施設はネット世界では埋もれているものが圧倒的に多い。WEBサイトを保有しているからと豪語しても、大抵は無尽蔵なる勝ち組情報に埋まり、経営者が思っているほど名は通っていない。ただ、近隣の住民が詳細を知っている程度の話である。

 SNS時代となり、無償でSNSを活用するだけで、新規顧客開拓の「策」と思い込んでいる経営者も多いが、それは勘違いも甚だしい。全国5万5千の宿泊施設があると言うのに、全国区にて突出している宿泊施設というのは、その中の1%にも満たないのだから・・・。

 よって、司法試験や有名大学の医学部試験よりも競争率は高いことになる。そこで、客の心を魅了し、常連客やリピート客を急増させ、年間絶対安定数の客を呼び寄せるには、SNSばかりではなく、より正確な広角打法(クロスメディア)、それも効率良く、検索エンジンで抽出率が圧倒的に高くなる「秘策」を講じる必要がある。

 毎年のように災害ばかりが日本全体を襲っている現在、公式WEBサイトと自己満足のBLOGやSNSで、何が出来るというのか!?

 単にハードの箱があって、そこにサービスなどのソフトがあったとしても、箱やソフトの主軸となるヒューマンウェアは大丈夫なのか。その施設における情報共有も危機管理も万全なのか。安心安全な宿泊施設として、施設の裏も表も全て開示することができるのだろうか。

 兎に角、日本人はハードなる箱が好きである。しかし、箱だけで客が満足することは無い。料理のソフト面だけでリピーターが急増する訳でもない。前述の、ヒューマンウェア、ソフトウェア、そしてハードウェアの三位一体があってこそ、我々が周囲に対して、責任をもって紹介できる施設と言える。

 江戸時代から続く旅籠(はたご)の歴史や慣習、価値観は、とうの昔に終わっている。勿論、欧米化のシンボルであったハイカラなシティホテルもリゾートホテルも、現在のままで満足できるのは、バブルではしゃぎまくり、高額年金を貰っている高齢者ばかり。今の若き人たち、最前線で仕事を捌いている年代は、情報入手法、旅や食への嗜好も、何もかも昔と全く異なっている。

 さて、さて、ホテルや宿の経営者である貴方の満を持しての「秘策」とは、一体全体何なのかを、お聞かせ願いたい!

 蛇足ながら、「秘策」なき役員たちが、中間管理職やスタッフに丸投げしているような、責任転嫁が罷り通るホテルや宿は、論外ではあるが・・・。


▼「Note」呑舟の魚は枝流に游がずコラム
 https://note.com/chikaonishida/m/m14d5ce97aca6Link
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▼西田親生@ICTdocotor「Note」参照
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写真・文責:西田親生

                 

  • posted by Chikao Nishida at 2022/1/21 12:00 am

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